【選手権予選】零下14度のモンゴルで自覚を高めたU-18日本代表DFは東福岡を頂点に導けるか?

2017年11月24日 吉田太郎

無失点優勝も指揮官は「もっとやれる」。

東福岡の最終ラインを統率する阿部。福岡予選を無失点制覇する原動力となった。写真:吉田太郎

 恒例となっている福岡県予選優勝後の「勝ちロコ」。東福岡の岡山入団内定CB、阿部海大は一人前方に飛び出すと、ランニングマンのステップを"華麗に"踏んでスタンドを沸かせていた。骨太で、凄みがあり、負けん気強いU-18代表DFは、何よりもチームの勝利を第一に求める姿勢の持ち主。福岡県予選5連覇達成の喜びを仲間たちと共有していた。
 
 注目DFが再び選手権に挑む。前回大会で優秀選手に選出された阿部はその後、初のU-18代表入り。さらに日本高校選抜に選ばれて出場したデュッセルドルフ国際ユース大会(ドイツ)では優勝したザルツブルク(オーストリア)やクルゼイロ(ブラジル)のアタッカー陣をねじ伏せるように封じ込み、チームは5位ながらも大会のベストDF賞を獲得した。
 
 いまや実績も含めて高体連で最注目DFのひとりに。当初はその評価に慣れず、変に意識して集中しきれない部分もあったというが、現在は「自分がやるべきことを全うするということでやってきて、プレー自体も安定してきている」と実感している。福岡県予選決勝でも得意の空中戦で筑陽学園との差を生み出し、球際では相手の懐に深く入ってボールを奪取。相手の速攻に対応する形で幅広いカバーリングも発揮して無失点優勝に貢献した。
 
「守備の部分で前半は、自分でも、チームでもいいなと」感じたという決勝戦の守備。だが、後半半ばからは守備、攻撃の両面が噛み合わず、押し込まれた。「自分らでボールを持てなかったですし、セカンドボールの反応だったり、ちょっとしたポジションの修正は、(2点差を追う)相手にどんどん来られている中で自分たちはどんどん遅くなって後手を踏んでしまった」と立て直せなかったことを反省。森重潤也監督の「彼ならばもっとやれるんじゃないかな」という評価に対し、阿部も「まだまだやっていかないと、選手権やプロでついていけない」と気を引き締めていた。
 

次ページ元日本代表・岩政大樹氏の著書や記事を読んで守備の方法論を学ぶ。

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