【岩本輝雄のオタクも納得!】車屋紳太郎が長友からレギュラーを奪うために必要なこと

2017年11月21日 岩本輝雄

“やりきる”ことができるか、できないか。

抜群のスピードを誇り、1対1の守備も強い。車屋は攻守両面で完成度の高いSBだと思う。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ32節]川崎1-0G大阪/11月18日/等々力
 
 接戦となったフロンターレ対ガンバ。フロンターレはここで負けると、アントラーズのリーグ優勝が決まってしまう重要な一戦で、終盤にエウシーニョがCKの流れから決勝点をゲット。意地を見せたね。
 
 両チームには、ブラジル、ベルギーと戦った日本代表の欧州遠征から戻ったばかりの選手たちもいて、フロンターレの車屋、ガンバの井手口や東口、三浦、倉田らは先発でピッチに立った。
 
 そのなかのひとり、車屋は僕と同じレフティで左SBだからというわけではないけど、以前から注目している選手だ。
 
 風間さんが監督をしていた時からメキメキと頭角を現わして、ポテンシャルは誰もが認めるところだった。好不調の波が少なく、スピードも抜群。クロスの質も高いし、ゴール前の状況を見て、いろいろと蹴り分けられる。少し前になるけど、夏のアウェー・サガン戦でのクロスからの2アシストはインパクトがあったね。
 
 相手に寄せられても慌てずにキープできるから、後方からのビルドアップも安心感がある。守備では1対1の強さが光る。攻守両面で完成度の高いSBだと思う。
 
 ハリルジャパンに名を連ねるのも当然。ただ、代表でレギュラーを取るには、まだまだ力不足なのかもしれない。
 
 左SBのライバルは、代表通算100試合出場を達成した経験豊富な長友だ。ふたりを比べて、僕が一番に感じる違いは、"やりきる"ことができるか、できないか。
 
 長友は攻撃参加すれば、かなりの高い確率でクロスやラストパス、カットインからのシュートなど、最後までやりきってみせる。
 
 もちろん、車屋はまだそこまで代表で出場機会を得られていないから、アピールできないのは仕方ないと思う。でも、フロンターレでのパフォーマンスを見ると、総合力は高いとはいえ、どこかバランスを重視しているのか、攻撃面での強引さが足りないような気がしてならない。"そこまで行くか"というぐらいにまで、やり切ってほしい場面が少なくない。
 
 長友と言えば、あの力強く推進力のあるプレーが容易に想像できる。一方で、車屋はたしかに上手いけど、自身の代名詞になるような飛び抜けた武器があればな、とも思う。

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