【番記者通信】賞レースとタイトルレース、言うまでもないその軽重|マンチェスター・C

2014年05月06日 スチュアート・ブレナン

チームとしての結果がすべてだ。

2年ぶりの優勝に王手をかけたシティ。個人を表彰する賞レースでは意外な低評価だったが、タイトルレースで勝者になることがなにより重要だ。 (C) Getty Images

 PFA(プロ選手協会)が選ぶ今シーズンの各賞が発表された。リバプールのルイス・スアレスのMVPは妥当だろう。驚きだったのは、MVPにノミネートされた6人の最終候補に名を連ねたシティの選手が、トゥーレ・ヤヤだけだったという事実だ。
 
 ちなみに、ガリー・ネビルとジェイミー・キャラガーの2人の解説者が選ぶ『Sky Sport』の年間ベスト11に選出されたのも、トゥーレ・ヤヤが唯一だ。PFAのベスト11には、CBのヴァンサン・コンパニが選ばれたが、シティの選手への評価は総じて低い。
 
 一方で、こんな調査結果がある。世界50か国の計15万人を対象にした『ESPN』のアンケートだ。「あなたが選ぶ究極の11人は?」と銘打った、ブラジル大会に出場する32か国の選手でベスト11を作る企画で、トゥーレ・ヤヤとセルヒオ・アグエロがその「究極のチーム」に選出されたのだ。プレミアリーグから選ばれたのはこの2人だけだ。
 
 ちなみに、究極のベスト11のシステムは4-3-3で、アグエロとともに3トップに選ばれたのはクリスチアーノ・ロナウドとリオネル・メッシだ。
 
 さらに付け加えれば、イングランド人選手はひとりも選ばれず、レイトン・ベインズが14パーセントの支持率で左サイドバックの3位に入ったのが最高だ。
 
 世界的なファン投票(ESPN)と、プレミアの選手(PFA各賞)や識者の見解は、本来同列に語るべきものではないだろう。ただ、イングランド国内と国外での選手に対する小さくない評価の違いが、垣間見える事実ではあるはずだ。
 
 もっとも、個人を表彰するアワードの結果に目くじらを立てるつもりはない。シティとしても、気にしてはいないだろう。フットボールの世界は、チームとしての結果がすべてだ。
 
 どちらもホームでの残り2試合、アストン・ビラ(5月7日の29節延期分)とウェストハム(5月11日の最終節)から勝点4を奪えば、2シーズンぶりの覇権奪還だ。
 
 賞レースとタイトルレース、どちらが重要か、その答は言うまでもない。
 
【記者】
Stuart BRENNAN|Manchester Evening News
スチュアート・ブレナン/マンチェスター・イブニング・ニュース
マンチェスターの地元紙『マンチェスター・イブニング・ニュース』のフットボール記者で、2009年から番記者としてシティに密着。それまではユナイテッドを担当し、両クラブの事情に精通する。
 
【翻訳】
松澤浩三
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事