【指揮官コラム】鹿児島ユナイテッドFC監督 三浦泰年の『情熱地泰』|ブラジル戦をネガティブに捉え過ぎるな!

2017年11月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

ブラジルを舐めてはいけない!

前半のブラジルは高い集中力で日本のプレスをかわし3点をもぎ取った。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 日本代表は、ブラジルに1-3で完敗。僕も翌日、同スコアで敗戦。鹿児島ユナイテッドの敗戦は、力の差を考えればすべて僕の責任である。が、ブラジル戦の敗戦となると……。それは誰の責任でもない。力の差は当然、歴然としているのである。
 
 ブラジルを舐めてはいけない。
 日本がどんな戦術を用意しようがどんな手を使おうが、「ネイマール」という10番が存在し、チームにまとまりとモチベーションがあれば、日本はボールを奪うことも簡単ではない。ラインをどこに設定したとしても、一人ひとりが勇気を出して奪いに行ったとしても、メンバーに本田、香川、岡崎がいたとしても、本田がツイッターでコメントしたように3-1という結果は変わっていないであろう。
 
 僕は80年代前半にブラジルへ留学して2年後に帰国。ブラジルのサッカーの恐ろしさを肌で感じた人間のひとりだ。
 
 そう簡単には埋まらないこの差。解説者は「なんで行かない」と連呼するのではなく「なぜ行けない」のか、を解説するべきだ。
 
 前半の立ち上がり、ブラジルの集中力は見事だった。フロー状態(物事に没頭している状態)からゾーン(極限の集中状態)に入ったブラジルの選手たちからすれば、日本の動きは止まって見えていたであろう。
 
 ただブラジルも日本のボール保持時での対応には甘さを出していた。だから、日本が修正すべきブラジル戦での問題点を挙げるなら、自分たちがボールを奪った時にある。
 
 ブラジルボール時はやはり全員で引いてコンパクトにした上で、スペースを与えないことを前提にアプローチをかけ勝負するべきだ。
 
 後半、アグレッシブに行って良くなったのは、あくまでも3-0という試合が決まったという状況からであり、残念ながら選手交代によってチームとしてのモチベーションも抑え気味の状態になっていた。

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