【現地発】“現在地”はFWの5番手。F・トーレスとアトレティコの関係は来年1月に終焉を迎えるのか

2017年11月08日 エル・パイス紙

劣悪な内容に終わった開幕戦のA級戦犯に。

アトレティコで不遇の時を過ごすF・トーレス。D・コスタが加入する来年1月以降はさらに厳しい状況に。 (C)Getty Images

 フェルナンド・トーレスの2度目のアトレティコ・マドリー在籍は、移籍市場が再開する来年1月で終わりを告げることになるかもしれない。トーレス自身にその意思はないものの、取り巻く状況は彼を確実に退団へと追いやっている。

 そのメッセージを発信しているのは、他でもないディエゴ・シメオネ監督だ。

 今シーズン、トーレスがこの熱血漢から受けている扱いは第5FWのそれ。来年1月のジエゴ・コスタ加入を考慮に入れれば、その立場はさらに厳しいものになる。

 もっとも、選手としてのトーレスと監督シメオネの関係は、以前から冷え切っていた。2014年12月にサポーターの大きな期待を受けて約7年半ぶりにアトレティコに復帰したものの、その後、指揮官から信頼を寄せられたのはごく限られた期間しかない。

 今シーズンに入ると、その傾向はさらに加速。11月上旬までの3つのコンペティション(リーガ・エスパニョーラ、チャンピオンズ・リーグ、コパ・デル・レイ)を通じての出場時間は、わずか332分で、スタメン出場は2試合にとどまっている。

 復帰以来、ここまで出場機会が少なかった時期はなく、「チームが自分を必要としていると実感できることが残留の条件」とつねづね語っているトーレスだが、現状はまったく正反対の状況にある。

 出足は良かった。ケビン・ガメイロが恥骨炎の手術による影響で出遅れる中、チームトップの得点を稼いだプレシーズンの好調さを買われ、開幕のジローナ戦でスタメンを飾る。だがその試合、60分でベンチに下げられると、その後はパタッと起用されなくなり、2度目のスタメン出場は10月25日のコパ・デル・レイ(エルチェ戦)まで待たなければならなかった。

 ジローナ戦でアトレティコは昇格チーム相手にまさかの引き分けスタートを切り、とりわけ前半の試合内容は劣悪と言えるものだったが、トーレスはそのA級戦犯として扱われてしまった格好だ。

 ポジション争いの直接のライバルたちと比べてみても、その扱いの差は明らか。
 

次ページ進退問題はデリケートかつ予測の難しい課題。

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