【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|神戸U-18編

2014年04月30日 安藤隆人

昨年のレギュラーが8人残る、前年度のWEST王者。

神戸U-18
チーム拠点:いぶきの森球技場
兵庫県神戸市西区櫨谷町寺谷1242-111
クラブ創立:1966年(前身:川崎製鉄水島サッカー部)
主なOB:小川慶治朗、松村 亮、岩波拓也(いずれも神戸)、表原玄太(愛媛)、柳川雅樹(鳥取)など。
(C)SOCCER DIGEST

 昨年度のプレミアリーグWESTの覇者は、3節を終えて、2勝1分けの無敗で2位と、順調な滑り出しを見せている。
 
 今年の神戸U-18(以下、神戸)は優勝候補の筆頭と目されている。それは昨年度のWEST制覇、Jユースカップ制覇という二冠を達成した結果はもちろん、そのレギュラーメンバーから大量8人が残った事実が、周囲の評価をグッと上げているのだ。
 
「今年は最初からすごく雰囲気がいい。やっぱり昨年の自信が大きい」
 
 野田知監督がこう語るように、昨年の経験は大きな財産となっている。タレントが少ない『谷間の世代』と言われていた昨年だが、そうした周りの目に対し、FW表原玄太(愛媛)、GK吉丸絢梓(神戸)ら3年生が1、2年生を力強く牽引したことで、チームが活性化し、あれよあれよと言う間にタイトルまで駆け上がっていった。この経験が選手たちを精神的にも大きく成長させた。
 
「リーグ開幕前に選手たちが『絶対に優勝する』、『もう一回埼玉スタジアムでやりたい』と口にしている。そのモチベーションの高さがいい方向に行っている」(野田監督)
 
 選手たちにはやり残したことがあった。それは高円宮杯チャンピオンシップで勝つこと。昨年はEAST王者の流経大柏の前にPK戦の末に敗れ、埼玉スタジアムのピッチから王者を見上げなければならなかった。この悔しさが彼らから『慢心』ではなく『タイトルへの欲』を生み出している。
 今年のチームでポイントとなるのは、サイドアタッカーだ。左ウイングの米澤令衣、右ウイングの南島彰人、そして左SBの山口真司、右SBの藤谷壮が繰り出すサイドアタックは迫力満点。とりわけアタッキング性能の高い米澤は、ワイドに張り出すだけでなく、果敢にバイタルエリアに侵入し、鋭い飛び出しと正確な技術でゴールを奪う能力も高い。後方の山口はその米澤の動きを見逃さない眼を持っている。的確な判断力でタイミング良くオーバーラップを仕掛けたり、前線のフォローに入る。
 
 右サイドの連係も左サイド同様に高い。藤谷はフィジカルとスピードを活かした激しいアップダウンに特長を持ち、左足のキック精度にも長けたSB。これに対し、南島はアジリティー能力を駆使した突破力が最大の武器で、高い得点力を誇る。このふたりの迫力ある縦への仕掛けは圧巻だ。

次ページ1年生の活躍によって、チーム内に良好な化学反応が。

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