【FC東京】平川怜と久保建英はなぜ11月1日に昇格したのか?理由はインドにあり!

2017年11月02日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

育成組織の選手がシーズン終盤の11月に昇格したのは異例の出来事。

トップ昇格が決まった平川怜(左)と久保建英(右)。まずは早期のJ1デビューを目指す。写真:松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

 11月1日、FC東京はU-18所属の平川怜(2年)と久保建英(1年)のトップチーム昇格を発表した。
 
 この文字だけを見ると、来季から上のカテゴリーで戦うように見える。しかし、彼らは今月1日からプロ契約を結び、高校生Jリーガーとなったのだ。
 
 ユース所属のまま2種登録選手としてJリーグデビューを果たし、シーズン途中にプロ契約を結ぶ――
 
 同じようなパターンは以前に他クラブであった。現在川崎Fに所属する森本貴幸がそのひとりだ。04年に磐田とのJ1開幕戦で2種登録選手のまま東京Vでデビューを果たすと、高校1年生にもかかわらず、同年5月からプロのキャリアをスタートさせた。ただ、それは夏前の話である。平川と久保が去年からJ3で経験を積んでいたとはいえ、シーズン終盤の11月に昇格した例は過去にほとんどない。まさに異例の出来事だと言えるだろう。
 
 では何故、FC東京はそのような形を取ったのだろうか。
 
 平川と久保の実力であれば、高校卒業を待たずにU-18チームを卒業する可能性は十分にあった。前者は正確な技術と類まれなボール奪取能力を武器にボランチで躍動し、後者はバルセロナ仕込みのドリブルスキルで存在感を示しているからである。とはいえ、期待感だけでトップ昇格が決まるわけではない。そこには明確な答えがあるのだ。
 
 会見でFC東京の立石敬之GMは平川と久保をトップに昇格させた理由をこう述べた。

「彼らがインドから帰って来て、それぞれと話をしました。本人たちからも話がありましたが、良い意味で高いレベルに身を置かないと上に行けないという危機感が強く、良い意味で僕らも受け止めました。なので、まずはこのタイミングで契約をしようということになりました」
 
「1日も早く上のレベルでプレーをさせたい」というチームの考えが、1つ上のカテゴリーに進む要因となった。ただ、同年代より一足先にプロの道へ進んだことについて、本人たちの想いも関係している。それがインドでの経験だ。

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