【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|名古屋U18編

2014年04月30日 安藤隆人

課題の守備が安定し、2勝1分けの好スタート。

名古屋U18
チーム拠点:トヨタスポーツセンター練習場 
愛知県豊田市保見町井ノ向57-230 トヨタスポーツセンター内
クラブ創立:1939年(前身:トヨタ自動車工業)
主なOB:吉田麻也(サウサンプトン)、磯村亮太、ハーフナー・ニッキ(ともに名古屋)、津田知宏、花井 聖(ともに徳島)など。
(C) SOCCER DIGEST

 シーズン前、髙田哲也監督は今年のチームの問題点をこう指摘していた。
 
「今年はCBが人材不足で、守備が大きな課題になる。そのぶん、攻撃力で勝負していかないといけない面もある」。
 
 しかし、ふたを開けてみれば、プレミアリーグWESTの開幕3試合で名古屋U18(以下、名古屋)は2勝1分けと好スタートを切り、課題とみられていた守備は1失点と安定している。確かに、CBには特段の高さがあるわけでもなく、ボランチもどちらかと言えば守備力より、攻撃力のある選手で構成されている。しかし、これまでの守備の安定は、明確な役割分担と、個々の積極性によってもたらされている部分が大きい。
 
「攻撃陣は個性の強い選手が揃っている。だからこそ、彼らの個性を消さないように、流動性を持たせている」と髙田監督が語るように、元U-16日本代表のレフティ・青山景昌、チームの大黒柱・MF桜井昴、今季トップ昇格を果たした森勇人の弟で、ドリブラーの森晃太、U-16日本代表のMF梶山幹太と、攻撃陣にはタレントがずらりと並ぶ。髙田監督は、青山と梶山の2トップ、左サイドの森、右サイドの桜井に、「同じポジションに留まらないようにしながら、攻撃を構築していく」と、それぞれの動きに自由を与え、頻繁なポジションチェンジによって攻撃を活性化していくことを求めた。
 指揮官が標榜するこの攻撃スタイルに対し、青山は「なるべく自分が動いて、中からも外からも仕掛けられるようにしたいし、自分もどんどん狙っていきたい」と語ると、桜井も「ワイドに張るだけでなく、どんどん中に入ってラストパスを出せたらいい。カットインからゴールも狙いたい」と、髙田監督の意図をしっかりと組み取っている。
 
 そしてポイントとなるのがダブルボランチだ。池庭諒耶と川崎健太郎の両2年生ボランチには、「中央でしっかりと攻守に渡って働いてほしい」(髙田監督)と、前線の流動性を支えるためのポジショニングと展開力の両面が期待されている。そのぶん、両SBは攻撃的な姿勢を強く打ち出せる。左にはU-17日本代表のレフティ・吹ヶ徳喜、右には180㌢の高さを誇る高尾瑠がおり、彼らがアップダウンを繰り返し、時にはリスク覚悟で一気に攻め上がる。アグレッシブなサイド攻撃も、強力な武器のひとつだ。

次ページ主力の負傷離脱も、全員のハードワークでカバー。

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