『WSD』のウェブ放談「専門誌編集部が見たCL準決勝」アトレティコ対チェルシー

2014年04月23日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

攻撃の意識を排除するため(?)の徹底したモウリーニョ采配。

ジエゴ・コスタも沈黙したチェルシーの徹底守備。モウリーニョの狙いどおりの展開だった。 (C) Getty Images

『ワールドサッカーダイジェスト』編集部が、当ウェブサイトでサッカー談義!!
 
 テーマは、チャンピオンズ・リーグの準決勝。モウリーニョが策士ぶりを発揮したアトレティコ対チェルシー戦を、スペシャリストたち視線(?)が鋭くえぐる!!

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編集長 「アウェーでのスコアレスのドローは、(ジョゼ・)モウリーニョ監督のプランどおりだろうね。とにかく一番怖いのはアトレティコのカウンターということで、これを常に警戒し、ボールを奪われたらすぐにプレスをかけ、守備ラインでは一切の隙間を作らないよう徹底していた。とにかく守りきることが前提で、攻撃については、あわよくば1点、というぐらいの考えだっただろうね」
 
チェルシー担当 「チェルシーで印象に残ったのはラミレスの起用ですけど、これは極端なことを言えば、チームから攻撃の意識を排除するためのものだったとも考えられるんです。もしオスカールや(アンドレ・)シュールレを使えば、前に出ようとして、逆にカウンターを受けるだろうから、そのリスクを避けるための起用だったと思います」
 
アトレティコ担当 「ボランチに置かれたダビド・ルイスも、前からプレスをかけるんじゃなく、引いて守り、相手のクロスをはね返すことで、一番怖いジエゴ・コスタを封じることに成功しましたね」
 
チェルシー担当 「準々決勝の第1レグ(パリ・サンジェルマン戦)ではオスカールが前に出てカウンターを食らっていましたね。モウリーニョ監督にとってあの試合は、相当なトラウマになっていたんじゃないですかね。守りにいった試合で3失点ですから」
 
編集長「だから今回は、実質的な4‐5‐1という今シーズンのCLではおそらく初めての布陣で、最初からスコアレスを狙ってきたね」
 
チェルシー担当 「中盤を3センターにしてその中央に、リーグ戦ではあまり試合に出ていない(ジョン・オビ・)ミケルを置いたのは賭けだったと思うけど、しっかりこなしていましたね。ここは、選手のモチベーションを高められるモウリーニョ監督の手腕ですね。あと個人的に、GKの(マーク・)シュウォーツァーはよくやったと思います。前のリーグ戦で久々に出場し、凡ミスで1点を失っていたから、(ペトル・)チェフの負傷でいきなりピッチに送り出されて不安だったと思いますけど、しっかり仕事を果たしたあたりは、さすがベテランだなと思いました」
 
編集長 「この試合では、何といっても(ジョン・)テリーの存在が大きかったね。彼が負傷離脱したとたんに、守備に粗さが出てきたぐらいだから。あの統率力はたいしたものだと思う。チェフが今シーズン絶望となったのは痛いけど、それ以上にテリーの負傷が長引くと、チェルシーにとっては大打撃になるだろうね」

次ページ第2レグの鍵はチェルシーがどこで点を取り行くか――。

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