「目指すは南アW杯のサッカー」。現実を見据える長友佑都が辿り着いた境地

2017年10月08日 高橋泰裕(ワールドサッカーダイジェスト)

今の代表のタレント力や選手の特性を考えれば…。

「カウンターこそが今の代表に合っている」と語った長友。W杯本大会までそのスタイルをどこまで突き詰めることができるか。写真:山﨑賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ2017]日本 2-1 ニュージーランド/10月6日/豊田スタジアム

 攻撃面での課題が改めて浮き彫りになったのが、10月6日のニュージーランド戦だ。61パーセントのボール支配率を記録し、18本ものシュートを放ちながら奪ったゴールはわずかに「2」。しかも、そのうちのひとつはPKだった。
 
 引いた相手を崩せない――。今回のワールドカップ予選で露呈した課題は、解消するどころかさらに深刻化している印象すら受けた。ニュージーランド戦でオーバーラップを繰り返し、攻撃に貢献した長友佑都ももどかしさを感じたようだ。
 
「今の代表は自分たちがボールを持つというより、相手にボールを持たせてカウンターを狙うサッカー。ポゼッションした時にどうするのか、という難しさはありますね」
 
 ハリルホジッチ監督が目指すカウンター重視のスタイルは、格上との対戦がほとんどのワールドカップ本大会を見据えてのものだ。今の代表のタレント力や選手の特長を考えれば、そうした現実的な選択は十分に理解できる。
 
 長友がイメージするのは、「南アフリカ・ワールドカップのサッカー」だ。
 
「みんなで守って、ショートカウンターを狙っていく。自分の経験を踏まえて言うと、そういうサッカーが今の代表には合っている。それが一番結果を残せる可能性が高いと思う」
 
 ただ、ワールドカップでは自分たちが攻めなければいけないシチュエーションも十分に起こりえる。例えば、リードを許した状況で相手が守りを固めた場合、そこをどうこじ開けるのか。長友は「昨日の乾のようにボールを持てる選手が途中から入れば、流れは変えられる」と語ったが、具体的なイメージはチームの中でまだ共有されていない。
 
 引いた相手をどう崩すか。カウンタースタイルの熟成とともに、この課題を解消することが日本のワールドカップでの躍進に繋がるはずだ。
 
取材・文:高橋泰裕(ワールドサッカーダイジェスト編集部)

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