マリノス指揮官が「いますぐ契約しよう」と迫ったU-18日本代表、町野修斗のスケール感

2017年10月05日 森田将義

今夏に渡欧。そこでの学びがプロで戦う上でのベースとなった。

184センチの高さに加え、足下の技術にも定評がある町野。横浜のモンバエルツ監督は第一印象で気に入ったという。写真:森田将義

 高校年代を代表する点取り屋が、プロの道へと進む。
 
 横浜F・マリノスは10月5日、履正社高校のFW町野修斗の来季加入を発表した。町野は9月に堺で行なわれたU-18日本代表候補にも選ばれた184センチの大型ストライカーで、軽やかな身のこなしから左右両足で強烈なシュートが撃てる本格派。中学までは中盤を担っていたため、高水準のパスも備える世代屈指のFWだ。
 
 6月と7月に横浜の練習に参加。「プレッシャーの速さとか判断のスピードが高校とは違うと感じたことは収穫だったけど、まだまだ甘くて『中澤(佑二)選手だ!』とか心の中で思っていた自分がいた」と振り返るが、随所でキラリとセンスの高さを見せつけるプレーを披露した。

 エリク・モンバエルツ監督がスタッフに「いますぐ契約をするんだ」と伝えるほどの高評価を受けたほか、MF喜田拓也から「一緒にやろう」と声をかけられたという。他のJ1クラブも獲得に動いていたが、「チームからの期待を感じたので、マリノスで試合に出て活躍したい」との想いから、名門クラブへの加入を決意した。
 
 来季からのプロ行きを決めた一方で、この夏は将来的な夢に向かっても動きが見られた。ヨーロッパのクラブとルートを持つエージェントに高く評価され、力試しのために海を渡ったのだ。

 まず最初に訪れたのは、ドイツ2部のクラブ。チームメイトにも歓迎ムードで受け入れられ、技術面では、海外選手と見劣りしないプレーを見せることができた。ただ、最も差を痛感させられたのはメンタル面。「海外にはちゃんとご飯が食べられず、生活に困っている選手もいて、サッカーで生きていこうという気持ちが凄かった。腹をくくってサッカーをしているのがプレーにも表われていて、練習の時から切り替えの速さや球際の強さが僕とは違った。いままで甘かったってことに気付かされた」。
 
 続いてプレミアリーグのクラブではトップチームの練習に参加し、各国の代表クラスの選手とのトレーニングも経験。「夢のような経験でした。ゴールも奪えて自信になりました」とヨーロッパでの収穫を口にするとともに、「いずれは海外でプレーするのが目標だけど、まずは日本で常に100%以上の力を出さないと向こうではなにもできない」と、重要な気づきを得た。


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