ルヴァン杯の存在意義を問う②――「英国のリーグ杯決勝はシーズン半ばに開催するようになったが…」

2017年10月04日 清水英斗

決勝トーナメントの日程には見直しの余地がある。

シーズン終盤にルヴァンカップ、リーグ、天皇杯、ほぼ同時期にクライマックスを迎えるのは、正直もったいない。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 ルヴァンカップの準決勝は10月4日、同10日に準決勝が行なわれる。来年からはJ2に降格した2クラブの参戦が決定するなど改革も進むが、なお問題点の多いリーグカップの存在意義について、サッカーライターの清水英斗氏に見解をいただいた。
 
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 改革案は様々あるだろう。なかにはルヴァンカップを廃止し、カップ戦を天皇杯だけにしろと、極論を唱える人もいるかもしれない。過密日程の解消と、試合の質の向上という観点では、それも間違いとは言い切れない。価値観は人によって異なる。全員が100パーセント満足する答は出ない。
 
 しかし、これだけは間違いだとはっきり言えるのは、現行の方式を続けることだ。ACL出場の4チームを除く14チームを7チームずつに分けてグループステージを行なっている現状は、明らかにいびつである。奇数なので毎節1チームが休みになって効率が悪いうえに、グループ2位以内の可能性が消えたチームは、早々と消化試合をこなすだけになってしまう。今年からプレーオフを設け、グループ3位にも突破のチャンスを広げたが、焼け石に水だ。
 
 18年からは、J2に降格した2チームを加え、きりが良い16チームでグループステージを実施することになったが、これは極めて合理的な判断だろう。唯一、J2の2クラブが過密日程を嫌がるのではと気になったが、むしろ若手や新戦力を試す機会が増えると、歓迎ムードらしい。この改革は評価できる。
 
 ただし、決勝トーナメントの日程には見直しの余地がある。個人的に気になっているのは、シーズン終盤にルヴァンカップ、リーグ、天皇杯と、3つのコンペティションのチャンピオンがばたばたと決まることだ。どの大会でどのクラブが勝ち残っているのか、しばしば混乱するし、すべてがほぼ同時期にクライマックスを迎えるのは、正直もったいない。

次ページ2ステージ制の役割をルヴァンカップが担えばいい。

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