【移籍市場超速報】スアレスが太鼓判。ウルグアイの超新星メンデス

2014年04月10日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

退団が濃厚なジャッケリーニ、争奪戦か。

みずからの後継者として、スアレスがリバプールに獲得を進言したという。メンデスに注目だ。 (C) Getty Images

【ウルグアイ】18歳の新星メンデスに注目

 ウルグアイのペニャロールでプレーするケビン・メンデスは、世界中の1996年生まれの中で最も注目を集めているひとりだ。すでにバルセロナが獲得を試み、1月にはインテルもオファーを出したが、いずれの試みも実ることなく終わった。ウルグアイ代表のエース、ルイス・スアレスはリバプールにみずからの後継者として獲得を進言している。ほかにも多くのクラブが、昨年秋のU-17ワールドカップで2得点・3アシストを記録したメンデスの名前をチェックリストに書き加えた。

 現在はウルグアイU-20代表でプレーし、ペニャロールでもトップチームデビューを果たした。172センチ・67キロという体格だが、まだ成長過程にあり、さらに大きくなりそう。ポジションはトップ下とセカンドトップで、テクニックの高さは折り紙付き。傑出したプレービジョンを備え、みずからゴールを決める以上にアシストを好む。典型的な南米の背番号10だ。ゴール前でもっとシンプルにプレーする必要がある。

【サンダーランド】ジャッケリーニは移籍が濃厚

 昨夏ユベントスからサンダーランドに移籍したイタリア代表のエマヌエレ・ジャッケリーニ。残念ながらレギュラー定着には至らず、今夏の放出が濃厚だ。とはいえ、そのプレーを評価するプレミアリーグのクラブは少なくなく、ウェストハム、ハルなどが獲得に興味を示す。イタリアでもジェノアが目を光らせている。この1月にはフィオレンティーナとパルマが動きを見せたが、結局話はまとまらなかった。今夏は争奪戦か。

【ヴィスワ・クラクフ】88年生まれのCBブノザにリボルノ、パレルモなどが興味

 ポーランドのヴィスワ・クラクフでプレーする1988年生まれの大型CBゴルダン・ブノザに、リボルノ、パレルモ、スイスのバーゼルなどが興味を示している。195センチという長身ながらスピードがあり、安定したテクニックと左足の強力なシュートを備えるブノザは、CBだけでなく左SBもこなす。ボスニアとクロアチアのパスポートを持っているため、EU国籍で登録が可能。ヴィスワ・クラクフとの契約が今シーズン限りで切れるフリーエージェントで、思わぬ掘り出し物になる可能性がある。

【インテル】ラシン会長がミリートとサムエル獲得の意向を表明

 インテルとの契約が今シーズン限りで満了するディエゴ・ミリートとワルテル・サムエル。母国アルゼンチンのラシン・クラブが2人の獲得を望んでいる。ビクトル・ブランコ会長は、2人を説得するためにイタリアに渡って話をする、とコメントしたと伝えられる。いずれにしても2人の退団は濃厚だけに、キャリアを母国で閉じる可能性は高そうだ。

【ラツィオ】カンドレーバとルリッチの獲得にユベントスが動く

 ユベントスが、4年前に半年だけで手放したアントニオ・カンドレーバに再び興味を示している。攻撃力が高く守備でも貢献できるウイングを補強ポイントに挙げているユーベは、カンドレーバだけでなく同じラツィオのセナド・ルリッチにも関心を持っており、すでに代理人と接触を始めている。遠からず本格的に獲得に乗り出す可能性が高い。ラツィオは、ファビオ・クアリアレッラ、セバスティアン・ジョビンコというユーベのアタッカーに興味を持っているため、彼らを絡めた形で移籍交渉が進むことも考えられる。


【ローマ】タッデイとフロレンツィの代理人がクラブと会談。ベルトラッチに引く手あまた。

 4月9日、ロドリゴ・タッデイ、アレッサンドロ・フロレンツィらを顧客に持つ代理人アレッサンドロ・ルッチがトリゴリアのトレーニングセンターを訪れ、ワルテル・サバティーニSDと会談を持った模様。タッデイの契約はこの6月に満了するが、延長するかどうかはまだ決まっておらず、この会談で方向性が明らかになった可能性もある。一方、フロレンツィに関してはローマの方針は明確。将来の主力として計算しており、2016年6月までの契約を延長し、年俸も上積みして選手サイドの希望に応じる方針だ。

 一方、アカデミー出身で現在はジェノアにレンタル中の攻撃的MF、アンドレア・ベルトラッチに、ミラン、インテルなど複数のクラブが関心を示している。ただし、順調な成長ぶりにローマは満足しており、来シーズンは戦力として呼び戻す可能性がある。今後の動向が注目される。

【翻訳:片野道郎】
【翻訳者からのごあいさつ】
 イタリアのスポーツ専門局『SkySport』を舞台に活躍するジャンルカ・ディ・マルツィオは、移籍専門記者という新たなジャンルを独力で切り開いた草分けにして、他をまったく寄せ付けないトップランナーです。

 イタリア国内ではすでに数年前から超メジャーな存在でしたが、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラ監督のバイエルン入りという大スクープをものにして、一躍ヨーロッパ中でその名を知られるようになりました。その後も、ウィリアン(当時シャフタール・ドネツク)がトッテナムからチェルシーに寝返った顛末など、イタリアにいながらワールドワイドな移籍情報をいくつもスクープしています。

 セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち(iPhoneのアドレス帳には3000人以上のコンタクトが入っています)、他の記者には絶対入手できないディープな情報をキャッチ。素晴らしいのは、しっかり裏が取れるまでは決して情報を出さないところです。

 ご存じの通り、世界中を飛び交っている移籍関連ニュースの大半は、誰かの願望や思惑に基づくただの噂でありそれ以上ではありませんが、ディ・マルツィオが発信するニュースは、すべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではありません。移籍ネタに関しては、どんなにありそうな話でもディ・マルツィオが書くまでは嘘か本当かわからない、どんなにあり得ない話でもディ・マルツィオが書いたら本当、というのが、もはやこの業界の常識になっているくらいです。

 ツイッターのフォロワーは全世界で約30万人。日本では13年7月から『ワールドサッカーダイジェスト』誌に連載コラムを寄稿しています。先月、この連載を休載した時には、日本のフォロワーからいくつも問い合わせのリプライが飛んで来たほどの人気です。

 そんなディ・マルツィオのオフィシャルサイト『gianlucadimarzio.com』から、移籍関連を中心とする最新ニュースを毎日厳選してお伝えするのがこのコーナー。サプライズはあっても「ガセ」はありませんから、安心してお読みください。(片野道郎)
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