【セルジオ越後】山口蛍、今野、そして井手口…Jリーグ勢がW杯に導いた

2017年09月01日 サッカーダイジェスト編集部

しっかり守ってカウンターを狙う意図が、メンバー構成や布陣からも感じ取れたね。

試合後、本田に語りかけるハリル。パチューカでコンディションを上げて、もう一度スタメンの座を掴み取ってほしいね。写真:徳原隆元

[W杯アジア最終予選]日本 2-0 オーストラリア/8月31日/埼玉スタジアム

 この試合を落としたら一大事になるという追い込まれた状況下で、ハリルホジッチ監督は、これまでにない思い切った決断を下したね。本田圭佑や香川真司の「経験」に頼るのではなく、あくまでも「コンディション」を優先したメンバーをスタメンに選んだ。

 その選択が奏功して、オーストラリアにしっかり勝利を収められた。1998年のフランス大会から6大会連続となるワールドカップ出場を果たせたことには、素直におめでとうと言いたい。
 
 ただね……コンディション優先の人選なんて、とても基本的なことだよ。当たり前と言ってもいい。
 
 そして、今回はオーストラリア対策もハマった。しっかり守ってカウンターを狙うという意図が、メンバー構成や布陣からも感じ取れたね。

 一歩先の展開を読めるベテランの長谷部誠をアンカーに置き、若くて運動量のある井手口陽介と山口蛍がどんどん思い切ってボールを奪いにチャレンジに行く。その3ボランチが時間が経つごとに機能した。
 
 そして奪ったボールを最前線の大迫勇也に預けて、カウンターを狙う。序盤はボランチが相手と上手く噛み合わず押し込まれたり、マークを交わされてピンチを招いたりする場面もあったけど、前半の41分というとても理想的な時間帯に先制点を取れた。何よりアウェー戦である相手に与えたダメージは大きかった。
 
 加えて、その3ボランチから後ろの守備陣の集中力がとても高かった。昌子源、吉田麻也、それに酒井宏樹と長友佑都が90分間最後まで強いインパクトを保って、相手と対していたね。

次ページコンディションが万全でない選手は呼ぶべきではないと証明された。

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