【名古屋】数的不利でもスタイルを貫いて逆転負け…手痛い敗戦を選手たちはどう受け止めたか?

2017年08月27日 今井雄一朗

守備を固めてカウンターという数的不利の定石には目もくれなかった。

チームの2点目を決めた田口は、その後2枚目の警告で退場に。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 [J2リーグ30節]名古屋2-3横浜FC/8月26日/豊田ス

 10人になっても、名古屋は名古屋だった。彼らはひとり少ない状況でもまったくその哲学を曲げずに戦い、守備を固めてカウンターという数的不利の定石には目もくれなかった。
 
 結果的に負けてしまっては、と揶揄する声があったとしても、名古屋の選手たちはこう答えるだろう。"僕らはそれでも攻めることができたし、パスをつないでそれをした。守備だって、そこまでやられた気はしていない"と。
 
 それが虚勢にならないことは、横浜FCが後半に6本しかシュートを打っていないことでも裏付けられる。
 
 いつものように先制点を奪われ、しかし前半のうちに逆転してみせた名古屋は、その立役者たる田口泰士が後半に2度目の警告を食らって退場。その後のフォーメーション調整に手間取った隙を突かれて同点に追いつかれたが、怯むことなく前に出ることで劣勢をひっくり返そうと画策した。
 
 3-4-3のシステムを、左ウイングだった和泉をボランチに落とした3-4-2に修正し、守備時にはさらに左ワイドの秋山陽介を1列下げて4-4-1にしてバランスを調整。そこからシモビッチをフェリペ・ガルシアに、秋山陽介を永井龍に代え、常に攻撃のカードを切ってチームを前に押し出した。
 
 さぞ守備陣は冷や汗ものの戦いだっただろうと思いきや、楢崎正剛は「そんなことないです。11人でも10人でも、相手が圧力をかけてポンポンとこちらのスタミナを奪うようなプレーをしてきたかといえばそうでもない」と平然。
 
 イム・スンギョムも「カウンターは喰らわなかったので、守備のオーガナイズはできていたと思います」と話し、「ひとり少ない状況でしたから、(新井)一耀とふたりで後ろに残ってお互いにカバーできる位置取りを」と努めて冷静に状況への対応を続けていた。
 
 それでも77分には決勝点を奪われてしまうわけだが、これもひとり少ないからというよりも、「11人で守っていてもやられていたんじゃないかというやられ方」(楢崎)というのが率直な感想。だからこそ「守備側からすればもったいない試合でしたよ」と守護神は自身のパフォーマンスを悔やむ。1失点目はGKには屈辱のニアサイドを抜かれ、2点目のシュートは手に触れられていたからだ。

次ページ「下を向くような試合ではなかったです」と和泉は言う。

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