【名古屋】3試合で12得点に関与!G・シャビエルの左足がもたらした”風間グランパス”の新たな武器とは

2017年08月21日 今井雄一朗

6ポイントマッチ”と呼ばれる2位・福岡との上位対決でも輝いてみせた。

瞬く間にチームの中心になったG・シャビエル。12得点に絡む驚異的な活躍を見せている。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 これで3試合連続である。5試合連続ゴールとなる決勝点を決めた青木亮太の覚醒ぶりも目覚ましいが、こちらの"連続記録"はある意味でそれ以上にとてつもない。
 
 名古屋がここ3試合で挙げた計12得点すべてに、ガブリエル・シャビエルは確かな形で絡んでいるのである。
 
 27節の松本戦では先制のオウンゴールを誘うチェイシングから始まり、青木のアシストを呼び込むゴール前へのパス、自らの得点、佐藤寿人へのカウンターでのアシスト、そして青木へのアシストとなるフィード5得点に関与。
 
 続く28節町田戦ではシモビッチへのスルーパスとFKでのアシストがふたつ、そして劇的な後半アディショナルタイムでの直接FKを決めた。
 
 2試合・2得点・5アシストと「アシストのアシスト」がふたつ、これだけでも規格外である。
 
 しかし絶好調にして瞬く間に名古屋の攻撃の中心人物となった陽気なブラジリアンは、いわゆる"6ポイントマッチ"と呼ばれる2位・福岡との上位直接対決においても、その輝きを失うどころかさらに輝いてみせた。
 
 先制されて迎えた19分のコーナーキックを青木に合わせ、そのこぼれ球をシモビッチが決めて同点に追いつくと、後半にはDFの目を欺く見事なヒールパスで秋山陽介のアシストを引き出し、さらに78分にはまたもCKをニアのシモビッチに合わせ、方向が変わったボールをイム・スンギョムが頭で叩き込んでダメを押した。3-1の快勝劇は、やはり背番号44の左足によって演出された。
 
 G・シャビエルと名古屋の相乗効果は凄まじいものがある。そのゲームメイク力や得点に絡む能力もさることながら、チームを大きく変えたという点で見逃せないのが、セットプレーを武器に変えたことだ。
 
 彼の加入前の名古屋はセットプレーが泣き所で、そもそも今季の陣容には高さが揃っておらず、なおさらにキッカーの能力に左右されるところは大きかった。玉田圭司や田口泰士といった優秀なキッカーはいたが、G・シャビエルのキックは彼らを凌駕する精度と質があるのは結果を見るに明らかだ。

次ページG・シャビエル加入で最大の利点はセットプレーである。

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