【現地発】堂安律を支える根っからのポジティブマインド「ナンボでも可能性はある」

2017年08月21日 中田徹

今夏に獲得オファーをくれた名門の本拠地で…。

2節アヤックス戦で出番が回ってこなかった堂安だが、欧州屈指のスタジアムで感化された部分は大きかったようだ。(C)Getty Images

 今シーズンのアヤックスは公式戦で2分け2敗と危機に喘いでおり、ヘラクレスを相手に戦ったオランダ・リーグ開幕戦を1-2で落としていた。
 
 第2節のフローニンゲン戦でもなかなか決定的なチャンスを作れず、若きタレント集団は焦りの色が濃かった、苛立ちの募るサポーター。ヨハン・クライフ・アレーナの雰囲気は芳しくなかった。
 
 その重いムードが吹き払ったのが、38分、相手CBふたりとの競り合いに勝ってクロスをヘディングで叩き込んだ34歳のストライカー、クラース=ヤン・フンテラールだ。その後アヤックスはギアを上げ、チャンスに次ぐチャンスを創出。終わってみれば3-1の快勝を収めた。
 
 かたやフローニンゲンからすると、点差を広げられないよう自陣に引いてコンパクトに守る時間があまりに長すぎた。そして強豪相手の、守備に比重を置いたゲームで、堂安律に出番は回ってこなかった。
 
 試合後の堂安は気持ちをコントロールするよう冷静に喋り、悔しい気持ちを吐露した時には、ポジティブな言葉を付け足すことを忘れなかった。
 
「一昨日ぐらいですかね。(ベンチスタートなのは)練習で分かってました。昨日、監督とも話をしまして、『ボールを(相手に)握られると想定した中でのメンバーを選んだ』と言ってましたので、そこは理解したつもりでした。負けてた中で投入されなかったので、思うところはありますけれど、しょうがないかなと思います」
 
 アヤックスは、かつて自身にオファーをくれたクラブでもあった。
 
「自分がいま、(アヤックスに)行ったところで出れているだろうか——と照らし合わせながら見てました。アヤックスは自分のプレースタイルに合うようなサッカーかもしれませんけれど、まだまだ自分にはクオリティーが足りないと思います。それに関しては今日、試合できれば最高でしたけれど、外から見ていても良いことがあったんじゃないかなと、ポジティブに考えてます」
 
 

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