【高円宮杯】富山一伝統のナンバー10を受け継ぐ、絶対的エースが止まらない!

2017年07月16日 安藤隆人

11戦17発のハイペースにも浮かれる様子はない。

本格派ストライカーの坪井。Jクラブのスカウトも注視する好タレントだ。写真:安藤隆人

 エースストライカーの爆発が止まらない。
 
 プリンスリーグ北信越で帝京長岡と熾烈な首位争いを繰り広げる富山一。その最前線で存在を示しているのが坪井清志郎だ。
 
 柳沢敦(現・鹿島アントラーズコーチ)、中島裕希(現・町田ゼルビア)、高橋駿太(現・ザスパクサツ群馬)、西村拓真(現・ベガルタ仙台)ら歴代のエースたちが背負ってきたナンバー10を担い、なにかから解き放たれたようにゴールを量産している。
 
 7月15日、プリンス北信越・10節の新潟西戦。リーグ自体は11節まで消化しており、この日のゲームは未消化分。この地元開催のゲームで勝利すれば、帝京長岡を抜いて首位に躍り出る状況だった。
 
 これまでの10試合すべてでゴールを決め、14ゴールを叩き出している坪井。ラッシュの口火を切ったのはやはりこの男だった。19分、DF松本楓太のスルーパスに抜け出すと、角度のない位置から、左足のコントロールショットをファーサイドに蹴り込んだ。
 
 エースの一撃で勢いを得た富山一は、36分にMF小森颯がPKを決めて追加点。40分には右CKから小森颯のキックをファーサイドで坪井がヘッドで折り返す。これをFW大竹将吾が強烈なダイレクトボレーで叩き込み、前半で3点のリードを奪って試合を決定付けた。
 
 後半に入っても攻撃陣は容赦ない。49分、左サイドでボールを受けた坪井がカットインから右足でミドルシュートをねじ込むと、62分には大竹が決めて5-0。74分に新潟西の1年生FW釜田恒太朗に1点を返されるも、87分に右CKから坪井が落として、途中出場のFW鈴木登夢が決めて突き放した。
 
 そして締めは、やはり坪井だった。後半アディショナルタイムにドリブルシュートから加点し、ハットトリックを達成。7-1の大勝で首位浮上を果たした。
 
 試合後、坪井は大勝にも浮かれることなく、はっきりとこう口にした。
 
「今年はプリンス開幕前に30ゴールというノルマを自分に課しました。全18試合で1試合1点はもちろん、それプラスということで、30点にしました」
 
 11試合終了現在で、17ゴール。ノルマ達成まであと7試合で13ゴール。いまのペースなら十分に達成可能だ。

次ページ「インターハイで自分の現在地を確かめたい」。

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