浪速の至宝、堂安律はオランダで活躍できるのか? 気になる現地での評判は?

2017年06月25日 中田徹

いかにも、オランダ人が気に入りそうなアタッカーだ。

フローニンゲンへのレンタル移籍が決まった浪速の至宝、堂安。攻撃自慢のチームでいかに個性を発揮するのか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 オランダ・リーグ挑戦が決まった堂安律に関し、地方局『RTVフローニンゲン』は「フローニンゲンが堂安の獲得競争に勝つ」と報じた。
 
 昨年1月にはPSVアイントホーフェンが正式オファーを出し、最近はアヤックス・アムステルダムが興味を示していたが、出場機会を重視した堂安はあえて中堅クラブのフローニンゲンを選んだのだ。

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 ゲラルト・ポッツマ氏はフローニンゲンのサポーターであり、日本のサッカーファンでもあるという。そのポッツマ氏が『ブーレンマフト』というファンサイトに寄稿したコラムによると、いまから2年前、アジア・チャンピオンズリーグのFCソウル戦で途中から出場した堂安を観て、「これはすごいタレントだ。5年以内にヨーロッパでプレーするだろう。それがエールディビジになる可能性もある」と、その才能に惚れ込んだという。
 
 そこでポッツマ氏は「フローニンゲンは堂安を追ったほうが良い」とクラブにメールを出したのだが、やがてPSVが、その次にアヤックスが堂安に関心を寄せはじめてしまったので、「これは、もうフローニンゲンには来ないだろう」とガッカリしていたところ、突如として愛するクラブへの堂安の入団が決まった。本当にビックリしたらしい。
 
 トリッキーなテクニックがあって、どんな相手にも怯むことなくドリブルでチャレンジし、思い切ったシュートを放つ。そんなタイプのアタッカーに、オランダ人は強い思い入れを抱く。堂安のような選手はきっと、フローニンゲンのサポーターにも受け入れられるだろう。
 
 1982年から2年間、フローニンゲンで初めてのアジア人選手として活躍したファンディ・アーマド(シンガポール代表)も、アジリティーがあって、ドリブル突破が魅力の選手だった。堂安同様、アヤックスに見初められながら、フローニンゲンを移籍先として選んだのも、偶然とはいえ面白い。
 
 現在、50歳前後のオランダ人にとって、エキゾチックな顔をしたアーマドの俊敏なプレーは強烈な印象を残したようで、時折、サッカーファンから昔話を聞かされることがある。堂安にも結果を残すとともに、ファンの記憶に残るようなプレーを期待したいものだ。

 2016-17シーズンのフローニンゲンは、5ゴールを決めた試合が3回もあるなど、攻撃の破壊力が凄まじかった。2トップを組むミムン・マヒー、ブライアン、両サイドハーフのウサマ・マヒー、イェスパー・ドルストはいずれもドリブラーで、即興性の高いコンビネーションプレーも得意とする。この魅惑のアタッカー陣に堂安がどう絡んでくるか。想像するだけでも楽しみだ。

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