日本代表が見習いたい、ドイツの「オーストラリア攻略法」。攻守の弱点とは?

2017年06月21日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

前半だけで6回も左サイドを攻略。

スピーディーな突破からチャンスを作り出したブラント(20)。対峙するベヒッチ(16)を圧倒した。(C)Getty Images

 現地時間6月19日、コンフェデレーションズカップのグループステージ第1戦(B組)で、優勝候補の一角であるドイツがオーストラリアを3-2で破って幸先のいいスタートを切った。
 
 特筆に値するのが、敵のウィークポイントを徹底的に衝いたドイツの戦いぶりだ。8月31日に埼玉スタジアムで開催されるワールドカップ・アジア予選でそのオーストラリアと大一番を戦う日本にとっても、参考なる部分がとても多い試合だった。
 
 ドイツの最大の狙い目となったのが、これまで通り3-5-2を採用したオーストラリアの3バックの脇、とりわけ左ウイングバックで先発したアジズ・ベヒッチの裏のスペースだ。開始5分に挙げた先制点も、このスペースを利用して生まれた。レオン・ゴレツカのパスを受けた右ウイングバックのユリアン・ブラントが快足を飛ばして右サイドを駆け上がって折り返し、ラース・シュティンドルが落ち着いてネットを揺らした。
 
 この場面では、CFサンドロ・ヴァーグナーの動きにつられて、オーストラリアの3バックがずるずると下がったため、シュティンドルは完全にフリーになっていた。
 
 その10分後には、今度はゴレツカがこの右サイドのスペースに走り出し、ヨシュア・キミッヒのパスを受けてクロス。ヴァーグナーのヘッドは惜しくも外れたものの、再び決定機を作り出した。
 
 その後も、ブラントやユリアン・ドラクスラーがベヒッチの裏のスペースを使って面白いようにチャンスを演出。その数は前半だけでも6回に上った。
 
 オーストラリアは、左ウイングバックのレギュラーであるブラッド・スミスが大会前の故障で不在だったというエクスキューズがあるとはいえ、ベヒッチの守備力と左CBベイリー・ライトのカバーリング能力の低さは、小さくない穴となっていた。
 
 日本がこの弱点を衝くのであれば、右ウイングは先のイラク戦でスタメンを張った本田圭佑よりも、久保裕也(イラク戦は左ウイングで先発)のほうがベターだろう。ドリブル突破や敵の背後への飛び出しなど、個での打開が期待できるからだ。

次ページ香川がゴレツカやドラクスラーのように機能すれば…。

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