乱闘勃発の浦和戦を「見苦しい敗北」「国際的恥」と韓国メディア。9年ぶりの“全滅”にショックを隠し切れず

2017年06月01日 慎武宏

『ソウル新聞』の見出しは「済州、見苦しい敗北」。

浦和対済州で乱闘が勃発。試合終了後も騒動は収まらなかった。(C)SOCCER DIGEST

 ACLラウンド16で、浦和レッズに2戦合計2-3で敗れた済州ユナイテッド。済州はクラブ史上初めて16強進出を果たし、ホームでの第1レグに2-0で勝利していたため、第2レグに負けても1点差以下なら8強に進出できていた。しかもKリーグ勢で決勝トーナメントに勝ち進んだのは済州1チームだけで、韓国中の期待を一身に背負った"負けられない戦い"。その一戦での0-3大敗だっただけに、韓国メディアも落胆を隠せない。
 
「済州、浦和遠征で痛恨の敗北…8強入りKリーグチームゼロ」(『クッキーニュース』)
「済州、見苦しい敗北」(『ソウル新聞』)
「済州Utd、史上初のACL8強入り挫折」(『済州島民日報』)
 といった見出しが並んでいる。
 
 韓国の大手ポータルサイト『NAVER』のスポーツコーナーで「済州と浦和、"戦術・経験"の差が大きかった」とコラムを書いたのは、スポーツライターのキム・ファン氏だ。
 
 サッカーメディア『FOOTBALLIST』の記者で現在は『JTBC FOX SPORTS』の解説も務めている同氏は、「完敗だった。ミスを繰り返し、相手の攻撃にまったく対応できなかった。攻撃戦術の多様性も不足していたし、浦和ファンの一方的な応援にも圧倒され、スタジアムの環境にも適応できなかった」と、済州の敗因を分析している。
 
 2-0で勝利したホーム戦を引き合いに出すメディアもあった。『SPORTSQ』は「遠征ムードに圧倒された済州、浦和に3失点"痛恨の脱落"」という記事の中で、「ホーム戦は2-0で勝利したものの、浦和の組織的なパスワークをベースにした攻勢に押されていた。支配率も24:76とホーム戦らしくない内容だった。今回の試合も雰囲気が似ていた」と綴っている。
 
 実際、この日の済州はアウェーの雰囲気に飲まれ防戦一方だったが、3点を叩き込んだ浦和のオフェンス力について触れるメディアも散見された。
 
『スポーツ朝鮮』は「(済州は)浦和の攻撃に苦しめられた。強力な圧迫に押された。クリアすらままならないほどディフェンスの組織力が揺さぶられた。精神力でどうにか耐えていた」と伝えている。

次ページ唯一の望みだった済州が16強で敗退。そればかりか暴力事件で“国際的な恥”まで…。

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