【U-20】「向いてないな」と思っていた杉岡大暉が「世界でもやれる」の自信を掴むまで

2017年05月31日 安藤隆人

イタリア戦でのミスを教訓にベネズエラ戦では手堅い守備を見せる。

今大会は2試合に出場した杉岡。本人も本職とは異なるポジションで手応えを掴んだようだ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 杉岡大暉のU-20ワールドカップは、出場2試合で終わった。
 
 初戦、第2戦と出番がなかったが、チャンスはグループリーグ最終戦にやって来た。左サイドバックとしてスタメンに抜擢され、安定した守備と機を見たオーバーラップで存在感を発揮し、90分間戦い抜いた。

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 しかし、試合後のミックスゾーンで彼の表情は冴えなかった。その理由は開始早々のプレーに遡る。3分にMFロランド・マンドラゴラのロングパスに対し、CB中山雄太と冨安健洋がラインを上げたが、彼とDF初瀬亮が残ってしまい、FWアンドレア・ファビッリに簡単に抜け出されてしまった。結果、杉岡がマークしていたはずのMFリッカルド・オルソリーニに置き去りにされ、フリーで先制点を決められてしまった。
 
「経験の浅さからか、ラインで僕が残ってしまった。自分のミスで失点をしてしまった。本当に悔しい」
 
 イタリア戦での二の舞を避けるべく、2戦連続スタメンとなったベネズエラ戦では、ラインコントロールに細心の注意を払いながらも、188センチの大型FWセルジオ・コルドバとマッチアップするという難しいタスクをこなした。
 
 ベネズエラの得点源となっていたコルドバに対し、「まずは彼に仕事をさせないことを考えました」と、フィジカルコンタクトで一歩も引かず、文字通り身体を張った守備を見せた。
 
 自身がサイドバックとして課題に挙げていた攻撃面でも、11分にMF堂安律のサイドチェンジを受けて、MF三好康児に合わせると、39分にはFW高木彰人へピンポイントクロスを送る。いずれもゴールにならなかったが、質の高いクロスでチャンスを演出した。
 
 後半に入ってもプレー精度は落ちなかった。特に守備面の安定が際立ち、コルドバとのイーブンボールの競り合いでも負けることなく、ベネズエラの得点源へのルートを遮断した。
 
 延長戦に入ってもラインコントロールを含め、これまでの試合の中で一番いい守備ができていた。しかし、最後の最後でセットプレー一発に沈んだ。

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