【U-20】大会直前の試練を乗り越え… 守護神・小島亨介はピンチをチャンスに変えられるか

2017年05月21日 安藤隆人

4月に足首を捻挫するも、直前試合スタメン起用が意味していたもの。

初戦の南アフリカ戦でスタメンが予想される小島。大会直前の親善試合ではブランクを感じさせないプレーを見せた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 一度は危ぶまれた世界だった。
 
 U-20日本代表で唯一の大学生であるGK小島亨介は、大会直前の4月に左足首をねん挫した。所属する早稲田大は関東大学リーグ2部を戦っているが、そのリーグ開幕戦の3日前の出来事であった。
 
「もともと右足も痛みがあったのですが、重要な時期に左足も新たにやってしまった」
 
 右足をかばうあまりに、逆足を負傷してしまった結果となり、U-20ワールドカップ出場も危ぶまれた。しかし、「焦らず、しっかりと治せば間に合うと思ったし、キャッチングなどやるべきことをやった」と、上半身を中心に鍛えながら、キャッチングなどのボールへの感覚は鈍らないように黙々とトレーニングを続けた。
 
 復帰の目途も立ち、無事に本大会登録メンバーに名を連ねた。だが、小島にホッとしている時間はなかった。次はライバルとのポジション争いが待っている。今回選ばれた3人のGKの中で唯一、一昨年のU-19アジア選手権予選(アジア1次予選)、U-19アジア選手権(アジア最終予選)を経験し、内山ジャパンの守護神として君臨し続けて来たからこそ、待ちに待った世界の檜舞台でその座を明け渡すわけにはいかなかった。
 
 静岡での直前合宿では、別メニュースタートとなったが、徐々に全体練習に参加し、12日のジュビロ磐田とのトレーニングマッチには出場しなかったが、15日のU-20ホンジュラス代表との親善試合では、1本目のスタメンを飾った。
 
「ここまで試合を重ねることができなかったのは、間違いなく問題だと思うのですが、どれだけ自信を持って臨めるかが一番重要だと思うので、今の自分の力をすべて出し切ろうと思った」
 
 このスタメンの意味を小島は理解していた。内山監督が復帰したばかりの彼を、重要な直前試合でスタメンに起用したのは、当然絶大なる信頼の表われでもあるが、一方で「ちゃんとプレーできるのか」「試合勘は鈍っていないか」という点でのテストも兼ねていた。
 
 もちろん、そうした不安が的中してしまったら、それは即ちスタメン落ちを意味する。ただし小島はそれを自身へのプレッシャーにせず、今やれることを精一杯、自信を持ってやると、心に決めてピッチに立ったのであった。

次ページホンジュラス戦を冷静に分析。1対1の感覚も掴めた。

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