【U-20W杯】久保だけじゃない… もう一人の“飛び級”FW田川亨介は日本の切り札となれるか

2017年05月17日 松尾祐希

99年の早生まれ。当初は一つ下の年代別チームに。

所属する鳥栖でも結果を出している田川。U-20W杯でもゴールを奪えるか。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 5月21日にU-20ワールドカップの初戦を迎える日本代表。5大会ぶりに檜舞台へ挑む若武者たちは、国内最終合宿を11日から静岡県内でスタートさせた。2つ下の世代ながら招集された久保建英(FC東京U-18)に注目が集まるなか、チームにはもう一人飛び級で本大会に挑む選手がいる。それがサガン鳥栖の田川亨介だ。
 
 今回の代表チームは主に97~98年生まれの世代で構成されるが、田川は99年の早生まれ(2月生まれ)のため、当初は一つ下のU-18日本代表に名を連ねていた。内山篤監督が率いるチームに初めて引き上げられたのは昨年8月のSBSカップだ。
 
 そして今季、鳥栖の下部組織からトップチームに昇格した俊英アタッカーは、裏への抜け出しや左足から放たれるシュートは天性のモノがあり、物怖じしないメンタリティも兼ね備えている。
 
「武器がひとつでもあれば、それをフィッカデンティ監督は本当に評価をしてくれた。だから、試合の時は深く考えずに思いっ切りプレーができている。それが結果につながったと思う」(田川)
 
 ハツラツとしたプレーは所属する鳥栖のフィッカデンティ監督の目に留まり、リーグ戦では2節からベンチ入り。4月8日に行なわれた6節の新潟戦では途中出場からリーグ戦初ゴールをマークした。
 
 Jでの活躍が認められると、今年4月中旬の千葉合宿では、前述のSBSカップ以来となる代表招集を勝ち取り、そこで自身の武器を余すことなく披露した。
 
「FWのタイプとして前線に高さが欲しかった。その中で彼の左足と高さを2016年のサニックス杯で見ている。今季はクラブで途中から出て、スピードを武器に明確な結果も残している」と内山監督もそのプレーを高く評価。田川に韓国行きの切符を与えた。
 
 起用法は2トップの一角が想定されており、主にスーパーサブという位置づけになりそうだ。期待されるのはゴールやアシスト。攻撃の切り札としての活躍が求められる。
 
 しかし、代表では自身の特長を今ひとつ出し切れていないのが現状だ。武器である裏への飛び出し、クロスへの合わせ方。チームに招集される回数が少なかったこともあり、連係面の課題から結果に結び付いていない。
 
「自分が背後に抜けた時に見てもらえないことが多い。なので、要求をもう少しやっていかないといけない」と本人は語り、14日の練習でも改善の余地を感じさせた。

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