【浦和】大事なのは〝4つの使い分け″。柏木陽介が目指すチームとは

2017年05月15日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「今日はほぼパーフェクトだったんじゃないかな」。

高精度のパスで攻撃を操る柏木。浦和にとって代えの利かない存在だ。写真:徳原隆元

[J1リーグ11節]新潟1-6浦和/5月14日(日)/デンカS
 
 浦和に頼もしい男が帰ってきた。肩の打撲により10節の鹿島戦を欠場した柏木陽介が、11節の新潟戦で先発出場。コンディションはまだ万全とは言えず大事をとって59分に途中交代したものの、上質なパスでチャンスを演出し攻撃のタクトを振るった。
 
 20分のFKの場面では、エリアのやや外から相手ゴールに向かうような高精度のキックで槙野智章のゴールをアシスト。さらに47分にはCKから遠藤航へのドンピシャのパスを供給した(遠藤のシュートは一度相手DFのブロックにあい、柏木にアシストはつかず)。
 
「前節はセットプレーのキッカーがいないなかで試合をしていたけど、今日はほぼパーフェクトだったんじゃないかな。でも結局アシストは『1』しかついてない。(遠藤)航には『一発で決めろよ、アシスト全然つかへんやんけ』と話をした(笑)。でもキックの質は高かったと思う。セットプレーで点が取れたらチームとしては楽だからね」
 
 柏木は手応えを語りセットプレーの重要性を説く。ただそれだけではなく、やはり流れのなかでこのレフティがボールを持った時はチャンスにつながる。新潟戦では「チームで『裏を狙え』と話をしていた」という柏木は、何度も相手の背後を突いた。
 
 新潟のFW鈴木武蔵は「ボールホルダーにプレッシャーをかけたかった。とくに柏木選手のところがフリーになっていて、何本も良いボールが来ていた」と振り返るように、柏木の左足は相手の脅威となっていた。
 
 ただ、このレフティボランチの狙いは単に背後を狙うだけではない。
 
「鹿島戦にしろ、大宮戦にしろ、裏に抜ける選手が少なかった。俺らが、通らなくてもパスを狙うことによって、セカンドボールを拾えて二次攻撃ができる。そうすることで今度は足もとが空いてくる」
 
 相手DFに裏を意識させることで、次は、味方FWが足もとで受けやすくなる。こういった駆け引きこそが、まさに柏木が重要視する点だ。

次ページ「どの試合でも2点、3点ずつ取る。そういうチームを目指してやっていく」。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事