【高円宮杯】凄まじい破壊力! 清水ユースが誇るスーパーカルテット

2017年05月08日 川端暁彦

すでに3選手がトップデビュー済み。

果敢に突破を図る平墳。4月のルヴァンカップでトップデビューを果たし、勢いに乗る。写真:川端暁彦

 今季のプレミアリーグで、いや、ユース年代で最強のカルテットかもしれない。
 
 清水エスパルスユースが誇る4人のアタッカーだ。平墳迅、鈴木魁人、新関成弥、そして滝裕太が奏でる破壊的なハーモニーが、開幕からプレミアリーグEASTを席巻している。
 
 ここまで清水ユースは5試合を戦って4勝1分けの首位。リーグトップの14得点を挙げている。開幕前は守備面に弱みがあると指摘され、実際に5試合中4試合で計6失点を喫しているが、それを補って余りある得点力が今季のチームにはある。
 
 とりわけ14得点中11得点を叩き出している王国のスーパーカルテットは、一見の価値ありだ。四者四様の個性が噛み合って敵を突き崩す様は、一種の機能美すら感じさせる。
 
 5月7日に行われた5節・市立船橋戦でも、この攻撃陣が結果を残した。
 
 実を言うと清水ユースは、過去のリーグ戦で市船相手に未勝利どころかゴールを奪ったことすらなく、大の苦手としてきた。ただ、この日は前半から大型FWの平墳が力強く起点となって敵を押し込み、まずは49分、知性派MF滝がゴールネットを揺らす。相手DFのミスに抜け目なくつけ込み、GKとの1対1をきっちり制した。「トップ昇格のためには結果を残すしかないと思っている」と意気込む主将の一撃が、市船戦における不名誉な"神話"を打ち砕いた。
 
 直後に同点ゴールを奪われてしまうが、今度は「別に全然いけると思っていた」と語る強気の新関が魅せる。4人の中でもっとも器用な滝をボランチに下げ、攻撃的な布陣に切り替えた矢先の64分だ。ロビングボールの落としを受けた新関が、「武器だと思っている」と言う冷静なボールコントロールから左足を一閃。滝とともに先のルヴァンカップ(4月26日のベガルタ仙台戦)でトップデビューを果たし、勢いに乗る男が鮮やかに勝ち越しゴールを突き刺した。

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