【G大阪】日本代表・倉田秋から聞き出した本音「俺の10番にする」「プレッシャーが半端やない」

2017年04月24日 川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

高槻が輩出したふたりのナンバー10。

早くも背番号10が板に付いてきた感がある倉田。いまやG大阪の覇権奪還を担う絶対軸だ。写真:川本学

 初めて会った倉田秋は、高校3年生だった。
 
 ガンバ大阪の強化スタッフに「あいつは相当やりますよ」と紹介され、目をやった先には、真っ黒に日焼けした肌と茶髪のロン毛。「え、ギャル男やん」。思わず、言葉が漏れた。
【PHOTO】ガンバ自慢の美女チアダンスチーム
 
 下手なことを言ってオヤジ狩りをされては適わないと恐る恐る近づくと、拍子抜けするほどの好青年だった。いい歳をしてひとを見た目で判断したことを猛省。素直に詫びると倉田は、「パッと見はそんな感じやからしょうがないですよ。ぜんぜん気にしてないんで大丈夫です」と、白すぎる歯を見せた。
 
 そのときの対話を紐解こうと取材ノートを漁ったところ、「倉田 目標 フタ」とだけ記されていた。フタとは、ほかでもない二川孝広(現・東京ヴェルディ)。大阪北部の高槻市出身で、地元のサッカー少年たちの間ではすでにビッグスターだった。
 
 同じく高槻で生まれ育ち、ガンバ下部組織の門を叩いた倉田にとっても、二川は憧れの存在だったのだろう。余談だが、当時の二川にそのユース選手の想いを伝えると、「嘘でしょ」と言いながらニタついていた。
 
 あれから11年、倉田は二度のレンタル移籍を挟んで、着実にガンバでの足場を固め、主軸となり、日本代表にも名を連ねた。そして今春、みずから志願して、二川の背番号10を受け継いだのである。
 
 今回、倉田に会うからメッセージが欲しいと二川に頼んだところ、「こないだテレビでいっぱい話したんでそれを観てください」とあいかわらず素っ気なかったが、少し間を開けて、「高槻の星、頑張れって言うといてください」と返ってきた。
 
 倉田は笑いを堪えて、こう切り出した。
 
「やっぱり高槻のサッカー界で二川と言うたら、ものすごい存在でしたから。僕もそこを目標にガンバユースで頑張ってましたからね。そのひとに『星』やと言われて……やっぱり、嬉しいですよ」

次ページ「『ボール持ちすぎ』とか。あ、バレてるわって(笑)」。

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