戦法の確立で16位から欧州カップ圏内を狙える位置まで急浮上
2009-10シーズンに3位となって以降、低迷し続けているブレーメンだが、現在の勢いは凄まじく、久々の欧州の舞台は十分に手の届くところにある。 (C) Getty Images
ブンデスリーガ第29節では、ヨーロッパリーグ(EL)出場権を争う5位ヘルタ・ベルリン(勝点43)、6位フライブルク(41)、7位ケルン(40)、8位ボルシアMG(39)、9位フランクフルト(38)、10位シャルケ(37)が全て負けた。
そんなライバルたちの躓きを嘲笑うかのように、ブレーメンが6位まで勝点差2の8位(39)にまで一気に浮上している。
開幕から負けが続き、一時期は残留争いの真っ只中で苦しんでいた彼らだったが、21節のマインツ戦(アウェー)で2-0の勝利を飾ると、そこから9試合で7勝2分けと怒涛の快進撃。これにはドイツメディアも大いに驚き、ブレーメンに注目するようになった。
それにしても、この絶好調の秘密はどこにあるのだろうか。
序盤は、アーセナルから加入したドイツ代表セルジュ・ニャブリの活躍しか、ポジティブな話がなかった。極端な話、相手の攻撃を何とか凌ぎ、あとはニャブリ任せというのがブレーメンの戦い方だった。
だが、それではさすがに安定した成績を上げることなどできない。20節終了時点で勝点16の16位という順位は、不可思議なものではなかった。
解任直前まで追い込まれたアレクサンダー・ヌーリ監督。しかし、ギリギリのところで自分たちの勝ち方を見出すことができた。それは「全員守備からのカウンター攻撃」+「セットプレーからの得点」である。
第24節のレバークーゼン戦から3バックシステムを導入すると、チームの戦い方はより明確なものになった。
ゴール前に高さのあるDFを並べて壁を築き、中盤ではズラトコ・ユヌゾビッチ、フロリアン・グリリチュ、フィン・バルテルス、マックス・クルゼがお互いの距離を適度に保ちながら、縦横無尽に動き出す。カウンターチャンスにはダイレクトパスで起点を作り、一気にスペースへとボールを送る――。
そんなチームにとって大きかったのが、元ドイツ代表クルーゼの復調だ。前節ハンブルクとの「北ドイツダービー」では、1ゴール1アシストで試合を決定付けただけではなく、試合を通じて常に危険な香りを放っていた。
敵将のマルクス・ギスドルは、「クルゼは決定的な選手だった。素晴らしかったし、我々にとっては大きな問題となった。彼なしでは、あそこまでのカウンターを機能させることはできない。今シーズン、もう彼を相手に戦わなくていいのは幸運だよ」と脱帽する。
対峙した酒井高徳も、「1対1の部分でけっこう仕掛けてくる選手が多かったので、非常に嫌だった。クルゼはけっこう効いていた。彼がいるといないでは全然違うのかな、という印象は正直感じた」と振り返っていた。
クルゼは、前所属のウォルフスブルクではピッチ内よりも、ピッチ外の騒動で紙面を飾ることが多かった。タクシーに7万5000ユーロを忘れたり、代表宿舎に女性を呼び寄せたり……。
その問題児ぶりは、チームマネジャーのクラウス・アロフスが「どんなミスを犯したのかを理解してくれることを期待している。もっとプロフェッショナルな振る舞いをしなければ……」と、公の場で小言を口にするくらいだった。
そんなライバルたちの躓きを嘲笑うかのように、ブレーメンが6位まで勝点差2の8位(39)にまで一気に浮上している。
開幕から負けが続き、一時期は残留争いの真っ只中で苦しんでいた彼らだったが、21節のマインツ戦(アウェー)で2-0の勝利を飾ると、そこから9試合で7勝2分けと怒涛の快進撃。これにはドイツメディアも大いに驚き、ブレーメンに注目するようになった。
それにしても、この絶好調の秘密はどこにあるのだろうか。
序盤は、アーセナルから加入したドイツ代表セルジュ・ニャブリの活躍しか、ポジティブな話がなかった。極端な話、相手の攻撃を何とか凌ぎ、あとはニャブリ任せというのがブレーメンの戦い方だった。
だが、それではさすがに安定した成績を上げることなどできない。20節終了時点で勝点16の16位という順位は、不可思議なものではなかった。
解任直前まで追い込まれたアレクサンダー・ヌーリ監督。しかし、ギリギリのところで自分たちの勝ち方を見出すことができた。それは「全員守備からのカウンター攻撃」+「セットプレーからの得点」である。
第24節のレバークーゼン戦から3バックシステムを導入すると、チームの戦い方はより明確なものになった。
ゴール前に高さのあるDFを並べて壁を築き、中盤ではズラトコ・ユヌゾビッチ、フロリアン・グリリチュ、フィン・バルテルス、マックス・クルゼがお互いの距離を適度に保ちながら、縦横無尽に動き出す。カウンターチャンスにはダイレクトパスで起点を作り、一気にスペースへとボールを送る――。
そんなチームにとって大きかったのが、元ドイツ代表クルーゼの復調だ。前節ハンブルクとの「北ドイツダービー」では、1ゴール1アシストで試合を決定付けただけではなく、試合を通じて常に危険な香りを放っていた。
敵将のマルクス・ギスドルは、「クルゼは決定的な選手だった。素晴らしかったし、我々にとっては大きな問題となった。彼なしでは、あそこまでのカウンターを機能させることはできない。今シーズン、もう彼を相手に戦わなくていいのは幸運だよ」と脱帽する。
対峙した酒井高徳も、「1対1の部分でけっこう仕掛けてくる選手が多かったので、非常に嫌だった。クルゼはけっこう効いていた。彼がいるといないでは全然違うのかな、という印象は正直感じた」と振り返っていた。
クルゼは、前所属のウォルフスブルクではピッチ内よりも、ピッチ外の騒動で紙面を飾ることが多かった。タクシーに7万5000ユーロを忘れたり、代表宿舎に女性を呼び寄せたり……。
その問題児ぶりは、チームマネジャーのクラウス・アロフスが「どんなミスを犯したのかを理解してくれることを期待している。もっとプロフェッショナルな振る舞いをしなければ……」と、公の場で小言を口にするくらいだった。