【野口幸司のクラシコ展望】マドリーの有利は動かない。バルサは“らしさ”がないほうが…

2017年04月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

マドリー優位で迎える今回のクラシコ。見どころは?

前回のクラシコ(リーガ第14節)は1-1のドローに終わった。(C)Getty Images

 シーズンも佳境を迎える4月23日、レアル・マドリーとバルセロナが対戦する今シーズン2回目の「クラシコ」がサンチャゴ・ベルナベウで開催される。
 
 クラブワールドカップ出場のため1試合未消化の首位マドリーが2位バルサに勝点差「3」をつけて臨むクラシコは、リーガ・エスパニョーラの優勝の行方を左右する重要極まりないゲームだ。
 
 この大一番をWOWOWは、23日(日)深夜3:30からサンチャゴ・ベルナベウより生中継する。その現地解説を務め野口幸司氏に展望を語ってもらった。
 
――今回のクラシコで期待していること、見どころはどこでしょうか?
 
「今シーズンのバルサは、正直あっぷあっぷの状態でマドリーについて行っている気がします。今回は舞台がサンチャゴ・ベルナベウという点も考慮すると、ホームチームの優位性は変わらないかなと感じています。ただ、クラシコなので何が起こるか分からない。今シーズン最初の戦いもバルサが先制し、逃げ切るだろうという展開の中で、最後の最後でマドリーが同点に追いつきました。
 
 ここ数シーズンは、バルサのスタイルに対してマドリーが戦い方を変える、というゲームが多かった。しかし今シーズンは、ルイス・エンリケ監督が退団発表をし、色々なシステムにトライしている中で、逆にバルサがやり方を変えないと今のマドリーには勝てないと思います。つまり、以前までの"バルサ主導"のクラシコ"にはならないかなという印象を持っていいます」
 
――バルサは3バックに変更して結果を残して、評価を持ち直したような印象ですが、いかがでしょうか?
 
野口氏「持ち直せてもいないし、バルサらしい試合ができているとも思ってはいないですね。"バルサらしさ"とは今まで、ポゼッションでゲームを支配することでした。相手が前からプレッシングにこようが、リトリートして引いて守ろうが、良い時のバルサだったらどちらもまったく苦にしなかった。しかし今は、前からプレッシングをかけられると、これまでのようにパスワークで簡単にいなせなくなっています。
 
 つまり、3バックにしたからバルサらしいポゼッションが復活したかというと決してそうではない。付け焼刃の形の中で、今シーズンのバルサでは唯一ずっと調子の良いネイマール(クラシコは出場停止で欠場)が活躍することで何とか結果を残せてきた、という印象です。
 
 選手個々のコンディションが悪いのか、チーム全体のバランスが悪いのか、というところをしっかり分析して改善しないと、クラシコでも勝てないと思うし、リーガのタイトルを獲るのも厳しいと私は思っています。L・エンリケ監督がどうテコ入れしてくるか、期待していますが不安もありますね」

次ページマドリーは連戦が続く中でジダン監督の手腕が問われる。

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