【高円宮杯】今季最強はやはりここ? あの大敗から這い上がった前橋育英が強い!

2017年04月18日 安藤隆人

新2年生の台頭でさらにバージョンアップ。

下馬評通りの総合力を見せつけるタイガー軍団、前橋育英。狙うはもちろん、悲願の選手権初制覇だ。写真:安藤隆人

「今年は注目をされていると思うので、下手なサッカーはできない。それに僕らは日本一という目標を明確に定めていますから」
 
 前橋育英キャプテンのMF田部井涼(3年)は、こう力強く言い切った。
【選手権PHOTO】輝きを放った1、2年生プレーヤーたち
 
 高円宮杯プリンスリーグ関東の第2節、ホームの前橋育英高崎グラウンドに強豪・桐光学園を迎えたタイガー軍団は、FW飯島陸(3年)とDF渡邊泰基(3年)の攻守の軸を日本高校選抜遠征で欠くなか、3-1の勝利を収めた。
 
 前半からペースを握ったのは前橋育英。開始早々の2分、いきなり田部井涼のFKがバーを叩く。これを号砲に、攻勢を一気に強めていく。31分、素早いパスワークから左サイドを突破したFW五十嵐理人(3年)が強烈なシュートを放つ。これは相手GKのセーブに遭ったが、こぼれ球をFW室井彗佑(2年)が押し込んで、先制点を挙げる。直後に同点に追いつかれるも、ボランチの田部井涼、左利きのCB角田涼太朗(3年)の正確な縦パスと、屈強なFW宮崎鴻(3年)のポストプレーを軸に、前への圧力を強めていく。
 
 65分に室井に代えてFW高橋尚紀(2年)、75分にはMF塩澤隼人(3年)と五十嵐に代えて、MF釣崎椋介(3年)とFW高橋優斗(2年)を投入。山田耕介監督が次々と新戦力を送り出すと、彼らも見事に期待に応えた。
 
 76分、田部井涼の縦パスを宮崎が胸で落とした展開から、最後は高橋尚が抜け出して勝ち越しゴール。さらには高橋優が駄目押しのゴールを決め、勝利を手繰り寄せた。
 
「ふたりがいなくても勝てるチームを作れば、彼らが戻って来たときにもっと勝てるチームになれる。2年生がグッと台頭をしてきたことで、スタメン争いも激しくなった。これもすごくプラスに働いてます」
 
 試合後、田部井涼が語ったように、この試合でゴールを決めたのはすべて2年生だった。

次ページあと一歩まで迫ったから分かる「距離感」。

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