セビージャがピッチ内外で正念場を迎えている。
 
　チャンピオンズ・リーグ敗退（ベスト16でレスターに屈する）のショックを引きずるチームは、リーガ・エスパニョーラでも５戦未勝利の泥沼にはまり、一時は９ポイント差をつけていたアトレティコ・マドリーに３位の座を奪われた。
 
　並行して３月31日には2000年夏からスポーツディレクターを務めてきたモンチの退団が決まり、クラブは強化部の再編を迫られることになった。
 
　さらには、成績不振で４月10日にエドガルド・バウサ代表監督を解任したアルゼンチン・サッカー協会（AFA）が指揮官ホルヘ・サンパオリの招聘に動き出したため、クラブはまた１つ頭痛の種を抱え込む羽目になった。
 
　12日にはAFA幹部がスペインへ飛び、16日に行われるバレンシア対セビージャ戦の前にサンパオリと会談を行う予定だとアルゼンチン・メディアが報道。これを受けたセビージャは以下の公式声明を通して遺憾の意を表明した。
 
「この情報が事実であれば、セビージャFCは敬意の欠如と解釈する。AFAには、クラブとの契約破棄を目的に監督と接触することなど許しがたい行為だと伝えた。クラブは迷うことなく自らの権利を主張する意向だ」
 
　こうしたセビージャの強硬な姿勢を受けて、AFAは慌てて接触の事実を否定したものの、サンパオリへの興味は隠さなかった。ボカ・ジュニオルスの会長であり、AFAの副会長も兼任するダニエル・アンヘリチは次のように語っている。
 
「（セビージャの）カストロ会長には交渉はしていないと伝えたが、彼に嘘はつけない。サンパオリはAFAが最も興味を示している候補だからね」
 
　こうした情報が飛び交う中、当のサンパオリは14日に行われた会見で「全くのでたらめだ。試合前の私は兄弟とさえ会ったりはしない」とAFAとの接触を否定。一方で代表監督就任の可能性については「私は未来を決めたりしない。残り７試合の後のことには何の興味もない」と話すにとどまり、否定も肯定もしなかった。