【ミラン番記者】本田圭佑の「背番号10がベンチ要員」という状況にファンは…

2017年04月13日 マルコ・パソット

サイドアタッカーのローテーションだけは…。

先のパレルモ戦でも出番がなかった本田。これでセリエA15試合連続だ。写真:Alberto LINGRIA

 ミランにおけるサイドアタッカーのローテーションは相変わらず続いている。たった一人を除いては……。
 
 直近のパレルモ戦(4月9日のセリエA31節)ではスソが戻ってきた。故障でユベントス戦、ジェノア戦、ペスカーラ戦の3試合を欠場したが、再び右ウイングという定位置に戻って来たのだ。
 
 そのため、数試合そのポジションでプレーしていたルーカス・オカンポスはベンチに戻った。とにかくウイングのターンオーバーは今も本田圭佑を抜いた形で続いている。そして本田の先発落ち記録はセリエA連続15試合連続まで伸びた。この間で背番号10は1秒たりともプレーしていない。
 
 このコラムで何度も言ってきたが、故障離脱中のジャコモ・ボナベントゥーラ、スソ、ジェラール・デウロフェウは、期待通りもしくはそれ以上に違いを見せてきた。彼らが本田に代わってレギュラーとしてプレーすること自体は、決して不当ではない。指揮官のヴィンチェンツォ・モンテッラの選択は至極正しい。
 
 ただ、他のポジションの選手はほぼ満遍なくターンオーバーに組み込まれているのに、たった一人だけまるで忘れ去られたようにベンチに置き去りにされるのは、少し度を過ぎているようにも思う。
 
 例えば後半、守りを固めなければいけない時などに、ラスト20分くらいは本田を使ってもいいのではないだろうか? 本人がこの扱いを不当だと感じてしまっても決して不思議はない。
 
 しかしミランは今、シーズンの明暗を決める重要な時期に入ってきている。だからここまでこの形できたのだから、今後もまず状況が変わることはないだろう。
 
 先週末のセリエA第31節、風はミランに味方した。ヨーロッパリーグ出場権(4、5位)を直接争うライバルであるラツィオ、アタランタ、インテルが引き分けや敗戦で停滞したのに対して、ミランは順調に3ポイントを稼いだ。
 
 おかげでミランはまた6位に返り咲き、それどころかあと4ポイント差を縮められば、予選なしでヨーロッパローグに出られる4位に入ることさえできる。また何より10試合ほど後塵を拝していたインテルを追いぬいたことは、4月15日のミラノ・ダービーに向けての大きな弾みとなるはずだ。もしここでも勝利すれば、あと6試合を残す時点で、ミランはインテルを5ポイントもリードすることとなる。

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