元日本代表・川口能活が引退について激白!「4年前のあの時からずっと頭の中に…」

2017年03月30日 小須田泰二

川口能活が語る「三浦知良の価値」とは。

現役生活は24年目を迎えた川口。年輪を重ねた彼が紡ぎ出す言葉にはやはり重みがある。(C) Getty Images

 いつ終わりが訪れてもおかしくない――。そうした弱肉強食の世界のなかで、41歳の川口能活はプロ生活24年目のシーズンを過ごしている。
 
 ゴールキーパーとしては最年長の41歳。選手としてのエンディングと背中合わせにあるなか、川口はカズこと三浦知良の活躍に心が躍った。2月26日、J2リーグの開幕戦で、横浜FCのカズが躍動する姿を見た時のことだ。
 
「カズさんの価値は、その存在自体にあると思うのです。ただピッチにいるだけで、惹きつけるものがある。98年のフランス・ワールドカップで、カズさんは最終メンバーに選ばれなかった。あの悔しさというものは、カズさんと北澤豪さんにしか分からない。周りのひとがいくら想像しても、彼らの悔しさというものは分からないと思います。あの経験をエネルギーに変えたことが素晴らしいことですよね。僕も挫折や経験を積んでいるとはいえ、彼らが経験してきたものに比べることなんてできません」
 
 挫折を知る人間は強いとはよく言ったもの。パイオニアにして挫折を知る男、そこに三浦知良という人間的な魅力があると、川口は言う。
 
「だからみんながカズさんに魅了されるんですよね。トントン拍子でいっている選手も、それはそれで素晴らしいことだと思いますが、人間的な魅力という点では、挫折を経験しているほうに感じてしまう。悔しい思いをした人は、人間としての深みがあるし。魅力がある。年輪を重ねていくことで、いろんな味が出てくる。そういうものを、カズさんに見せてもらっていること自体、幸せなことですよね。欲を言えば、同じベテランのひとりとして、そういった人間に、僕も近づけたらいいなと思います」

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