「個人スタッツ」で読み解くタイ戦。久保と清武は効率の良さ、原口と酒井高は苦境が浮き彫りに…

2017年03月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

清武はわずかな時間で4回のチャンスを創出する。

タイ戦のスタメン11人。それぞれの個人スタッツは? 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[ワールドカップアジア最終予選7節]日本 4-0 タイ/3月28日/埼玉スタジアム
 
 日本代表がタイ代表を4-0で撃破した3月28日の一戦を、日本の個人スタッツから読み解きたい(数字は全てAFC公式より)。
 
【シュート本数】
3本:久保裕也
2本:岡崎慎司、香川真司
1本:山口蛍、酒井高徳、吉田麻也、酒井宏樹、本田圭佑、宇佐美貴史
 
【枠内シュート本数】
2本:久保裕也
1本:岡崎慎司、香川真司、山口 蛍、吉田麻也、本田圭佑
 
 総シュートも枠内シュートも1位は久保で、57分には左足の豪快なミドルでチーム3点目を挙げた。続いて岡崎、香川、本田、宇佐美などアタッカー陣が並んだが、今最終予選でチーム最多の4ゴール挙げている左ウイングの原口はまさかのシュートゼロ。「けっこう裏に走っていましたけど、ボールが出てこなかった」と悔しさを滲ませた。
 
 
【チャンス創出数】
3回:清武弘嗣
1回:岡崎慎司、原口元気、香川真司、久保裕也、酒井高徳、森重真人、吉田麻也、酒井宏樹
 
 先発組はいずれも1回止まり。久保は2アシストと言っても差し支えないが、右サイドを突破してクロスを挙げて先制点を演出した8分のプレーは、香川がドリブルで敵をかわして生まれたゴールだったため、AFC公式では「決定機創出」にカウントされなかったようだ。代わって1位は、74分からの途中出場でトップ下に入った清武。CKから83分の吉田の4点目を含めて、短い時間で3度のビッグチャンスを作り出す及第点以上の活躍ぶりだった。
 
 
【ボールタッチ数】
吉田麻也:92回
森重真人:85回
酒井高徳:74回
山口  蛍:66回
酒井宏樹:65回
長友佑都:65回
久保裕也:47回
香川真司:44回
岡崎慎司:42回
原口元気:25回
本田圭佑:21回
清武弘嗣:21回
宇佐美貴史:5回
 
 前線よりも敵のプレッシャーが緩く、ボールをもらいやすいDFとボランチがTOP6を占める。前記した通りシュートゼロに終わった原口は25回と、ボールに触れる機会そのものが少なかったことが、はっきりと浮き彫りになっている。ボールタッチ数だけで言えば、66分に自身と交代した本田、74分に香川に代わってピッチに送り出された清武の21回と大差がない。

次ページビルドアップが機能しなかったことはデータにも如実に。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事