「復讐成功の日本」と韓国メディアが絶賛。「日本のほうがレベルが高い」と自国との「差」を嘆く声も

2017年03月24日 慎武宏

韓国人記者に印象的に映ったのは、日本の攻撃だった。

アウェーで2-0完勝の日本を韓国メディアは褒め称えた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト特派)

 敵地でUAEを2-0で下した日本代表の試合結果は、韓国でも詳しく報じられている。

「復讐成功の日本、UAEを2-0で完破」(スポーツ&芸能メディア『OSEN』)「スマート+効率の日本、実利を選んで本大会に向けて巡航」(サッカーメディア『インターフットボール』)などで、長谷部誠、髙萩洋次郎、宇佐美貴史ら故障者続出でも勝利したことを踏まえて、「"負傷悪霊"を克服した日本、ワールドカップ進出青信号」(総合スポーツメディア『スポーツ韓国』)と報じるところもあった。

 普段はハリルジャパンに厳しい指摘も辞さない韓国メディアだが、アウェーでの完勝だっただけに認めざるを得ないのだろう。
 
 ただ、いずれも試合経過を報じる程度に止まっており、それをそのまま訳しても芸がない。そこで今回はサッカーメディア『FOOTBALLIST』の記者で、ケーブルテレビ局『sky SPORTS』で解説者しても活躍するハン・ジュン氏に事前にUAE対日本戦をチェックするようお願いしたのだが、ハン・ジュン氏が真っ先に切り出したのは、ハリルジャパンの戦略の成功だった。
 
「基本的に日本はパスワークに長けて選手たちも自信を持っていると思うが、UAE戦では裏のスペースへの侵入とサイドからのクロスを適切なタイミングで活用しながら、相手のプレッシングをかわしつつディフェンスラインの後ろを崩す戦略が印象的だっだ。

 スルーパスやワンツーでのパス交換だけではUAEを崩せないことを、熟知していたのだろう。UAEのオマル対策もしっかり立てたようだったし、選手たちの守備時のポジショニングと集中力も良かった。ホームでの借りを返そうという雰囲気もあったし、日本はUAEよりも老練で組織的な完成度が高かった」
 
 そのなかでもハン・ジュン記者に印象的に映ったのは、日本の攻撃だったという。
 
「日本はもともとボールキープに長けたチームだが、UAE戦では無駄にボールと人を動かさず、シンプルかつ効率的にプレーする姿が印象的だった。久保が決めた先制点の過程もそうだっだが、左右のサイドバックを活用したサイド攻撃に威力があり、良かったと思う。日本は以前よりも、鋭く研ぎ澄まされたチームになった印象だ。小さくまとまったという意味ではなく、質が密で濃いという意味での"コンパクト"さがあった」

次ページクラブで出場機会を得られていない本田を擁護する声も。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事