J3開幕戦で成長の跡を見せた久保建英。課題のコンタクトプレーでは──

2017年03月13日 松尾祐希

プロの舞台で示した成長の跡。

富山戦でJ初先発を飾り、初のフル出場も果たした久保。大人のサッカーで揉まれ、進化を続ける。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

「(開幕戦特有の雰囲気がある)夢の島で90分やれたことは良かったと思います」。久保建英、15歳。昨季、J3でプロデビューを飾った少年は2トップの一角を担い、成長した姿を披露した。
【久保建英PHOTO】J3初先発で敗北も異彩を放つ
 
 FC東京U-23の一員として、カターレ富山とのオープニングゲームに臨んだ。序盤から前線に良い形でボールが入らず、思うようなプレーができない。それでも、前を向いた状態でパスを受けると、躍動感のある動きをみせた。「攻撃のところで非常に良いプレーを出していたと思う」と語ったのは中村忠監督。正確なファーストタッチで相手を外すと、あわやゴールという場面を演出した。20分にゴール前に走り込んだネイサン・バーンズにスルーパスを送り、58分にも同じような形から背後のスペースにボールを配給。いずれも得点に繋がらなかったが、質、スピードともに申し分のないパスだった。
 
 対峙した富山の右SB、山形辰徳も対応に苦慮した事実を明かす。
 
「前を向くと危険な雰囲気があるので、注意してやらないといけなかった。彼はフィジカル勝負を避けて、交わせる技術を持っている。変にフィジカルで負かしてやろうと思うと、簡単に交わされてしまうのがオチ」
 
 昨季はフィジカルで相手に圧倒され、なかなか崩しの局面で存在感を示せなかった。それを踏まえれば、前を向いて仕事をする機会が増えたのは成長の証だ。

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