【レフェリング考察】「ハンドだと思う」と相模原の安永監督。主審も「当たりました」と認めるも、ノーファウルの判定に…

2017年03月13日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

大島は“押していない”というアピールで両手を上げて…。

試合後の会見で熱く語った安永監督。試合の行方に影響したかもしれない微妙なジャッジだっただけに、「ハッキリさせてほしい」と語気を強めた。(C)J.LEAGUE PHOTOS

[J3リーグ開幕戦]相模原 0-1 長野/3月12日/ギオンス

「これは批判ではなく、問題提起です」
 
 試合後の会見で、相模原の安永聡太郎監督はそう断りを入れると、声のボリュームを一段階上げて、「むしろ、ハッキリさせてほしい」と、後半の"あるシーン"について見解を述べた。
 
「ペナルティエリアの中で、手に当たるハンドについてです。そこに(自然な状態で)手がある以上、跳ね返ったりしたボールがその手に当たってもハンドじゃない。それは分かります。それは認めます。
 
 でも、"ファウルじゃないですよ"とアピールして上げた手にボールが当たる。レフェリーに確認したら、『当たりました』と言っている。
 
 手を上げるアピールがなければ、ボールはそのまま流れて、その後ろにうちの選手がいたらチャンスになる。
 
 ファウルではないとアピールするために、上げなくてもいい手を上げて、そこにボールが当たる。それはある種、故意ですよね? そこに当たったんだから、俺はハンドだと思う」
 
 問題のシーンは53分。右サイドからサムエル・アウベスがクロスを入れる。中で待つ久保裕一には、長野のDF大島嵩弘が対応する。ヘッドで合わせようとする久保に、大島が密着マーク。久保がバランスを崩して倒れる。大島は"押していない"というアピールで両手を上げている。その右手に――ボールはたしかに当たっていたが、判定はノーファウルだった。
 
 最終的な試合の結果は、長野が勝又慶典の挙げた1点を守り切り、1-0の勝利を収めている。安永監督が問題視したプレーは、まだスコアレスの時に起きたもので、ここでPKと判定されて、相模原が先制していれば……。
 
 勝負の行方に影響を及ぼしかねないジャッジであり、安永監督は熱く語りながらも、敗戦に悔しさを滲ませていた。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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