【ブンデス日本人の現地評】記録樹立もプレーは低評価の長谷部、敗戦の大迫には「チームで最高の出来」etc.

2017年03月07日 山口裕平

地元紙は長谷部に辛口ながらも、同時に祝福の言葉も送った。

記念の一戦を白星で飾れなかったことで、長谷部は「記録樹立は誇らしいが、少し悲しい」と感想を語った。 (C) Getty Images

 ブンデスリーガ第23節は日本人選手たちにとって、やや厳しい週末となった。
 
 ドルトムントとハンブルクは勝利を飾ったものの、香川、酒井の両選手は途中からの出場。原口、長谷部、大迫、武藤は先発に名を連ねたものの、いずれもチームは白星を挙げることができなかった。
 
 日本人対決となったハンブルク対ヘルタ・ベルリンは、キャプテンの酒井がベンチスタートとなったハンブルクが1-0で制した。
 
 酒井は、73分にボランチとして途中出場。その4分後に決勝点が生まれている(得点者はエクダル)。
 
 地元紙『ハンブルガー・アーベンドブラット』は、「酒井が出場するまでチームは敗北の危機に瀕していたが、出場直後に決勝点が決まった」と記し、地元放送局『NDR』も「この日本人はすぐに試合に入り込み、最後は勝利に持ち込むのを助けた」と評価した。
 
『ビルト』の採点は3点、『キッカー』は出場時間が短いとして採点なしだった。
 
 一方、84分まで右MFとしてプレーした原口には、厳しい評価が下された。
 
『ビルト』は4点、『キッカー』はチーム最低タイの5点。地元紙『ベルリナー・ツァイトゥング』は、「彼の最高のアクションは、イビシェビッチがフイにした。64分にダリダから良いパスを受けたが、彼のプレーは色彩に乏しかった」と辛口だった。
 
 5バックの中央として先発フル出場した長谷部は、ブンデスリーガ日本人選手最多出場記録を更新したものの、チームは1-2でフライブルクに逆転負けし、リーグ戦4連敗となった。
 
 この日もプレースキッカーを務めた長谷部は、CKからブルムの勝ち越し点をアシストしたかに思えたが、得点はファウルの判定で取り消された。
 
「新記録を打ち立てた日本人は、どちらの失点の場面でも驚いた。彼のCKは脅威になったが、レビッチのヘディングはいわれのないファウル判定で取り消された」と記した『ビルト』、そして『キッカー』の採点は、ともに4点だった。
 
 地元紙『フランクフルター・ノイエプレッセ』は、「広い視野と気配りで幾つかの危険を取り除いた。同点の場面では気を散らされ、小さなミスを犯した」と記している。
 
 一方、『フランクフルター・ルンドシャウ』は「安定させようと努めたが、同点にされた場面では見えていなかった。いつものように正確ではなく、アイデアにも欠けた。ともあれ、彼は新たな記録を打ち立てた。235試合に出場した日本人は彼しかいない。おめでとう」と新記録達成を祝福している。

次ページ決定的なヘッドを止められた大迫だが、攻撃ではひとり気を吐く。

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