流れの中から初ゴール! 久保裕也が掴んだ「手応え」と「課題」

2017年02月27日 中田徹

指揮官も久保のパフォーマンスに満足感を示す。

セットプレーでの得点が続いていた久保。流れ中からの得点に「やっと取れたかな」と安堵した。 (C) Getty Images

 現地時間2月26日に行なわれたベルギーリーグのエクセル・ムスクロン戦で、ヘンクの一員として今シーズン3ゴール目を決めた久保裕也は、移籍後初めて決めた"流れの中からのゴール"を喜んだ。
 
 この試合、攻撃的MFとして出場した久保はチームが1−0とリードしていた30分、DFのサミュエル・ジゴにパスを出し、バイタルエリアでリターンを受ける。そして、ワンタッチでマーカーを外してから左足を振り抜き、ゴール右隅へと決めたのだ。
 
「(流れの中から)やっと取れたかなという感じです。得点のシーンはチームによく絡めました。ファーストタッチが上手くいったので、流れでシュートを撃てました」

 試合後にそう語った久保が、出色だったのはこのプレーだけではない。7分に右サイドハーフのサミュエル・カルーが決めた先制ゴールは、左サイドで久保が作ったスペースに、左サイドハーフのケニー・サイェフが走り込んでクロスを入れてから決まったものだ。
 
 この得点シーンで久保は、ボールにこそ触れてはないものの、1人でマーカー2人をおびき出している。これについて本人は、「僕が降りたら、サイドハーフが前に行くという流れでやっていた。食いついてくれたなという感じでした。あの時は2枚着いてくるとは思わなかったのでラッキーでした」と振り返った。
 
 ベルギーリーグ・デビューマッチとなった1月29日のクラブ・ブルージュ戦で鮮やかな直接FKを決めた久保は、翌節のズルテ・ワレヘム戦でもPKを決めて、現地でセンセーションを起こした。とくにデビュー戦でのFKは、1月のチーム・ベストゴールに選ばれたほどの美しいものだった。
 
 その一方で、久保は「まだ自分はチームにフィットしてない」ということも感じていた。そうした中で手にした今節の得点に手応えは十分だ。
 
「積極的にボールの出し入れに加わるなど、ポゼッションでチームが上手くいくように、僕としてもチャレンジしました。前の試合(スタンダール戦、1-1)も、その前の試合(オイペン戦、0-1)も、チームに僕がフィットしてなかったので、流れの中にちょっと上手く入りたいと思ってました。そういう意味では前回よりは良かったと思います」
 
 同サイドのCBのジゴから幾度もロングフィードのパスを引き出したり、さらにMFのサイェフ、ロブ・ショーフスとコンビネーションでボールを回してみたり、移籍後5試合目で久保は明らかに連携面での向上を見せている。
 
 ハイン・ヴァンハーゼブルック監督はこう指摘する。
 
「我々のサッカーは選手に対して常に動くことを要求する難しいものだ。上下、ダイアゴナル、左右の横の動きを繰り返して、スペースを作らないといけない。確かに新しく入った選手にとって簡単なシステムではない。それでも、先制点の場面で見せた裕也とサイェフの連携は狙い通りの形だった」

次ページ課題を指摘されるも、不満は漏らさず。

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