「欧州やブラジルからも話はあったが…」元川崎のFWレナチーニョはなぜ“日本の5部リーグ”を選んだのか?

2017年02月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

関東1部のVONDS市原が獲得するのは容易ではないはず。

VONDS市原と契約したレナチーニョ。2月24日にはクラブハウスで入団会見が行われた。

 関東1部リーグのVONDS市原に、大物外国人選手が加入した。2008年8月から2010年8月まで川崎フロンターレで活躍した、ブラジルFWのレナチーニョ(本名:レナト・カルロス・マルティンス・ジュニオール)だ。来日翌日の2月24日には、市原市内のクラブハウスで入団記者会見が行われた。
 
 1987年5月14日生まれで現在29歳のレナチ―ニョは、ブラジルの名門サントスの下部出身。同クラブの先輩ロビ―ニョ(現アトレチコ・ミネイロ)の後継者として期待されたほどの才能の持ち主だ。
 
 2年間所属した川崎では公式戦通算で25ゴールを記録。その後は、ポルティモネンセ(ポルトガル)、サンカエターノ(ブラジル)、岡田武史監督が率いた杭州緑城(中国)、レンティスタス(ウルグアイ)、ポルティモネンセ、チェンライ・ユナイテッド(タイ)、スカンデルベウ・コルチャ(アルバニア)を渡り歩き、昨年末にはヴァルジン(ポルトガル2部)を退団。無所属の状態になっていた。
 
 そんなレナチーニョに声を掛けたのが、悲願のJFL昇格のためには攻撃力アップが不可欠で、強力なアタッカーを探していたVONDS市原だった。本人が愛着のある日本への復帰を考えていることを聞きつけると、フリーエージェントで移籍金が掛からないこともあり、ゼムノビッチ・ズドラヴコ監督(元清水エスパルス監督)はもちろん、木村哲昌GM、そして永野祐太郎社長までをも総動員して必死に口説いたという。
 
 とはいえ、かつてJ1で活躍し、その後はヨーロッパ、南米、アジアでキャリアを積み重ねてきた29歳のブラジル人FWと、カテゴリーでいえば日本の5部リーグに当たる関東1部のVONDS市原が契約に漕ぎつけるのは容易ではないだろう。
 
 実際、本人は会見で「VONDS市原から熱心なお話をいただく中でも、ウクライナ、ブラジル、ポルトガルなど様々な国のクラブから正式なオファーがありました。実際にVONDS市原との契約を結ぶ1日前にも、ブラジルの大きなクラブからお話がありました」と明かしている。
 
 それでもレナチーニョが、VONDS市原を選んだのはなぜなのか?

次ページ重要視していたのは、クラブのビジョンとその先にある自分自身の未来。

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