【FC東京】大久保が感じたチームの弱点。「もう1歩、2歩寄せてくれば嫌なのに…」|独占インタビュー

2017年02月17日 飯尾篤史

感じているプレッシャーは「フロンターレの2年目以降と似ている」。

活躍を期待されるプレッシャーはあるが、「不安がない選手はたぶん試合に出られない」とむしろポジティブに捉えている。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 なぜ川崎を離れたのかと、FC東京への移籍を疑問視する声もある。だが、大久保嘉人に後悔はない。「この年齢(34歳)でオファーをもらえるなんて、幸せじゃないですか」。新シーズンへ向けてコンディションを高める本人を直撃し、その心境を訊いた。
 
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――新体制発表会で披露した青赤のユニホーム姿がすごく似合っていました。ご自身や周りの感想は?
 
 自分でも、良いんじゃないかなって思いましたよ。まあ、周りには似合ってるって言う人もいれば、いや いや、似合ってないって言う人もいたけれど。
 
――川崎に加入した4年前の新体制発表会では「ちょっと表情が堅いかな」という印象でしたが、今回はすごくリラックスしていて、穏やかなように見えました。同じ移籍でも4年前とは違う心境ですか?
 
 そうですね。フロンターレに移籍した時は、『ここでダメなら終わりかもしれない』みたいな感じでしたから。『大久保嘉人は終わった選手』というのを見返したい気持ちもあったし。
 
――覚悟というか。
 
 もちろん今回は今回で、また活躍しないといけないというプレッシャーをすごく感じている。でも、プレッシャーの種類が違いますよね。
 
――3年連続得点王の称号に相応しい活躍をしなければならない、というプレッシャー?
 
 そうですね。ただ、フロンターレでも、加入1年目で得点王を獲って、2年目からはずっと、また得点王にならないといけないというプレッシャーを感じていましたから。そうい う意味では、フロンターレの2年目以降と似ています。
 
――川崎時代に驚いたのが、大久保選手がいつもプレッシャーを感じていて、常に「不安しかない」と言っていたことです。大久保嘉人ほどの選手でもそうなるのかと。不安に打ち勝ってこそ、プロなんだなと改めて感じました。
 
 不安を感じないと身体が動かない。不安がない選手はたぶん試合に出られない。不安があるから、やらないといけない。そういう気持ちが生まれて、練習をする。
 
――居残りでシュート練習をしたり。
 
 そう。シュート練習をすれば自信が生まれる。だから、試合で1、2本外しても、『次も俺に出せ』って要求できるんです。で、実際に決めてきたし。プレッシャーに打ち勝って結果を出せば自信は深まるし、今まで以上に嬉しい。そう考えるとやっぱり、不安を感じるというのは、本当に大事なことだと思います。

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