「超攻撃的」な新システムがユベントスのCL制覇の鍵に!?

2017年02月16日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

ここまで採用した公式戦全6試合にいずれも勝利。

アタッカー4人を同時起用する4-2-3-1の新システムは、連動性にはまだ欠けるが、ハマった時の破壊力は抜群だ。(C)Getty Images

 昨シーズンに引き続き開幕から3-5-2をベースに戦ってきたユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督が、1月に入って4-2-3-1の新システムを打ち出した。

 セリエA21節のラツィオ戦で初めて導入し、以降も継続的に採用しているこの新システムは、CFにゴンサロ・イグアイン、2列目に右からファン・ギジェルモ・クアドラード、パウロ・ディバラ、マリオ・マンジュキッチと、4人のアタッカーを前線に配置。さらにダブルボランチの一角に攻撃色の強いMFミラレム・ピャニッチを据える、超攻撃的な布陣だ。

 攻守のバランスを重視するアッレグリにしては思い切った用兵だが、ここまで採用した公式戦全6試合にいずれも勝利。しかも11得点・1失点と、数字も申し分ない。

 とはいえ、現時点で十分に機能しているとまでは言い難い。

 確かに右サイドのクアドラードは果敢なドリブルで攻撃の起点となり、イグアインは相変らず非凡な決定力を発揮している。ディバラは崩しとフィニッシュの両局面で異彩を放ち、マンジュキッチも逆サイドからのクロスボールに対して迫力満点の飛び込みを見せている。ピャニッチが時おり繰り出す鋭い縦パスも秀逸だ。

 しかし連動性には乏しく、自慢のタレントが局面で高い個人力を発揮して結果に繋げているにすぎない、というのが実情だ。攻撃はどこか散発的で、コンビネーションで崩すシーンはさほど多くない。

 実際、マンジュキッチは崩しのタスクを担えているとは言い難く、とくにタッチライン際でボールを受けると攻撃を淀ませがちだ。ピャニッチにしても、前線付近で決定機に絡むという本来果たすべき役割を全うできていない。24節のカリアリ戦ではベンチスタートを命じられた。

 さらに守備面も、3-5-2採用時に比べて不足感が否めない。

 ピャニッチとダブルボランチを組むサミ・ケディラは守備専業のプレーヤーではなく、中盤のフィルターとしての機能はさほど期待できない。この6試合で1失点という安定ぶりは、レオナルド・ボヌッチとジョルジョ・キエッリーニの両CB、守護神ジャンルイジ・ブッフォンの奮闘の賜物に他ならない。

次ページユベントスが選択肢を広げつつあるのは間違いない。

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