3戦連続ゴールはならなかった久保裕也「僕がやりたいのは、そういうことではない」

2017年02月12日 中田徹

消極的なパフォーマンスに指揮官も苦言。

2戦連続弾により、ベルギー国内で持てはやされた久保だが、本人はまるで納得していない。まだ“地ならし”の段階だ。(C)Getty Images

 2シーズン前にベルギー王者に輝き、昨シーズンはチャンピオンズ・リーグでベスト16に食い込んだヘントが、不振に喘いでいる。
 
 2月11日のオイペン戦はアディショナルタイム6分に痛恨の失点を喫し、0-1で敗北。順位を5位から8位へ下げ、1月のチーム加入後2試合連続ゴールを記録し、にわかにベルギー国内で注目を集めていた久保裕也もこの日は不発に終わり、81分に退いた。

 最強時のチームからGKマッツ・セルス(現ニューキャッスル・ユナイテッド)、MFスベン・クムス(現ワトフォード)、CFロラン・デポワトル(現ポルト)と「チームの背骨」が抜けたヘント。「なかでもクムスがいなくなってしまったのが痛い」と現地の記者は言う。どちらかと言えば地味な選手だったが、ボールを失うことは滅多になく、ヘントの「メトロノーム」として攻撃のリズムを刻んでいた。
 
 クムス退団後、ハイン・ファン・ハーゼブルック監督は攻守のバランスを見つけるのに苦労している。オイペン戦後には「ビルドアップの時にもっとDFが中盤に上がるようなプレーを増やし、前の方で数的優位を作らないといけない。パスも横から横ばかりだ」と語り、チームの消極的なパフォーマンスを分析していた。

 12月のヘントは2分け3敗と無勝利に終わり、「悪夢の12月」と呼ばれた。冬のマーケットでクラブは積極的に動き、じつに8人もの選手を獲得。久保もそのひとりで、いきなり2試合連続ゴールを決めたものだから、まるで救世主かのような扱いを現地では受けた。全国紙によっては、久保を2週連続でベストイレブンに選出ところもあったほどだ。
 
 だが、流れのなかからのシュートはほとんどなく、現在の久保は試合に出ながらコンディションを上げ、あくまでベルギー・リーグでの地ならしをしている段階なのだ。
 

次ページ何度も繰り返し口にした「突破」という言葉。

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