【甲府】新加入ウイルソンはいまだ機能せず――TM3連敗、何が問題なのか?

2017年02月11日 大島和人

ウイルソンを生かしたいという狙いから5-3-2を採用。

仙台から新加入のウイルソン。前線の柱となるのは間違いないだろう。写真:ヴァンフォーレ甲府

 ヴァンフォーレ甲府は2月10日、宮崎・綾町小田爪多目的競技場でベガルタ仙台と45分×4本のトレーニングマッチを行ない、0-2(0-0、0-1、0-1、0-0)で敗れた。甲府は宮崎入りしてから3試合目のトレーニングマッチだったが、4日の徳島ヴォルティス戦(0-2)、7日のFC今治戦(1-3)も含めて3連敗となった。
 
 甲府は通常の5-4-1ではなく、「ウイルソンを生かしたい」(吉田達磨監督)という狙いから5-3-2の布陣を試した。右ボランチ兵働昭弘、アンカー小椋祥平、左ボランチ田中佑昌の3枚にかかる守備の負担は大きくなる一方、河本明人がウイルソンの近い位置でフォローする関係を作り、前線にボールを入れやすい厚みを作っていた。
 
 1本目は甲府の守備が機能。縦を切りつつ相手ボールをサイドに押し出し、前に踏み込んで奪う狙いがハマっていた。ディフェンスリーダーの山本英臣はインフルエンザで欠いていたが、土屋征夫、新井涼平、新里亮の3バックがチャレンジ&カバーの連係をよく保ち、仙台を完全に封じる。
 
 しかし2本目に入って59分、仙台に三田啓貴のミドルからこぼれ球をつながれ、奥埜博亮の先制ゴールを許す。そこからはボランチの消耗と「ちょっとバラバラになってしまった」(兵働)という連係の崩れから、2本目の残りは仙台ペースに。甲府は攻撃でも奪った後の精度やイメージの共有を欠き、いくつかあったチャンスを決められなかった。
 
 小椋祥平はそんな展開をこう説明する。
「(1本目と2本目の)仙台は各駅停車というか、ボールの動かし方が横横で、一個飛ばしがなかった。トラップしてパスというリズムも変わらなかったので、スライドが間に合っていた部分もある。後半は一つ奥に飛ばされて、ワンタッチで中に落とされて、スライドしたけれど付いてなくて起点を作られて……という感じになっていた」
 
 両チームの主力組がプレーした1、2本目は、仙台が1-0で取った。甲府は宮崎入り後の3試合で、主力組が1点も取れていない。着手して2日目という5-3-2の布陣で守備面の成果こそあったが、攻撃面の不安を払拭できていない。

次ページウイルソンと周囲の動きが嚙み合わず。

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