R・マドリーの無敗記録を止めた清武の「新ライバル」。加入1週間で復活を印象付ける!

2017年01月16日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

シティとインテルでは戦力外状態だった.

R・マドリーの無敗記録を止める劇的弾を決めたヨベティッチ。持ち味のテクニックを存分に披露した。(C)Getty Images

  1-1の同点で迎えた後半ロスタイム、左サイドでMFビトーロからFWステバン・ヨベティッチにボールが渡る。大きく空いた前方のスペースへ持ち出し、インサイドキックで狙いすましたミドルシュート。GKケイラー・ナバスの手を弾いたボールがネットを揺らした瞬間、本拠地ラモン・サンチェス・ピスファンは興奮の坩堝と化した――。
 
 1月15日に開催されたリーガ・エスパニョーラ18節で、40戦無敗を続けていたレアル・マドリーに対し、終盤の劇的なゴールで2-1の大逆転を演じたセビージャ。その立役者となったのは、1月10日に移籍してきたばかりのモンテネグロ代表FWのステバン・ヨベティッチだった。

 3年半あまりも不調に苦しみ、「過去の人」になりつつあった27歳アタッカーが、加入後たった1週間で鮮やかな復活を印象付けた。
 
 超絶技巧と正確なフィニッシュを武器に、フィオレンティーナで2シーズン連続の二桁ゴールを達成したヨベティッチが、マンチェスター・シティへ引き抜かれたのは2013年の夏。順調にトッププレーヤーへの階段を上っているかに思われた。
 
 だがここで壁にぶち当たる。プレミアリーグの水に慣れず、故障もあって1年目はわずか11試合の出場に留まった。捲土重来を期した翌シーズンも、プレシーズンでは好調を維持していたものの、再び小さな怪我を繰り返してトップフォームには戻らず。チャンピオンズ・リーグ(CL)の決勝トーナメントの登録メンバーから外されるという屈辱も味わった。
 
 15年夏にインテルへ移籍し、勝手知ったセリエAに復帰した後も状況は変わらなかった。とりわけ今シーズンはほとんど戦力外状態で、ヨーロッパリーグには登録されず、リーグ戦でも出番はわずか5試合。いずれも途中出場だった。
 
 今冬、出場機会を求めて移籍先を探していたヨベティッチに対し、古巣フィオレンティーナを含むイタリア国内の数クラブやブンデスリーガ勢が興味を示していた。だが、初挑戦となるスペイン行きを選んだ決断は、どうやら正しかったようだ。

次ページ清武にとっては強力なライバルに。

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