【川口能活クロニクル】清商時代のベストゲームは城彰二を擁する鹿実とのあの名勝負

2017年01月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

鹿実と1勝1敗で迎えた選手権の舞台。決着をつける時が来た。

鹿児島実、そして城彰二が高校時代の最大のライバルだった。(C) SOCCER DIGEST

 川口能活、41歳。彼のサッカー人生は、言い換えれば、日本代表の"世界挑戦"の歴史と重ね合わせることができる。絶対に負けられない戦いのなかで、彼はどんなことを考えていたのか。「川口能活クロニクル」と題した、日本サッカー界のレジェンドが振り返る名勝負の知られざる舞台裏――。今回は特別編として、「高校選手権ベストバウト」をお届けする。
 
第6回:1993年度 第72回大会 高校サッカー選手権
        清水商 vs 鹿児島実
 
■高校時代のライバルは鹿実と城彰二
 
 高校時代のベストバウトを選ぶとしたら、やはり最後の選手権です。とくにベスト4で戦った鹿児島実との一戦は、本当に思い出深いです。
 
 高校時代のライバルは鹿児島実であって、城彰二でした。
 
 鹿児島実とは1年の時の選手権でも対戦しました。ゾノ(前園真聖)さん、藤山(竜仁)さん、遠藤(拓哉)さん、仁田尾(博幸)さんらがいて、3回戦で戦ったのです。僕たちがオウンゴールで先制したのですが、その後、ゾノさんに2ゴールを奪われ、1対2で負けました。国立競技場に辿り着くことができなくて本当に悔しかったのを覚えています。
 
 2年の時は、選手権の地区予選で敗退しました。静岡では静岡学園、藤枝東、清水東が強くて、結局、僕たちは準々決勝で藤枝東に1対3で敗れました。そして最終学年を迎えた翌年、どうにか5大会ぶりに静岡に優勝旗を持ち帰ることができたのですが、それまでの道のりは本当に険しいものでした。
 
 高校の3大タイトルと言えば、インターハイ、全日本ユース、選手権。いずれの舞台でも、僕たちの前に立ちふさがってきたのは、鹿児島実だったのです。
 
 インターハイでは準決勝で対戦し、試合を支配していたのは僕たちだったのですが、カウンターから4発決められて1対4の大敗でした。全日本ユースでは決勝で対戦して、スコアレスのまま延長戦にもつれ込み、(佐藤)由紀彦のゴールで1対0で勝ちました。通算成績は1勝1敗。いよいよ選手権で決着をつける、という感じでした。

次ページユース代表ではいつも一緒の部屋。彰二とはいろんなことを話した。

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