【選手権】山梨学院、3回戦大敗に見られたエースFW不在の影響

2017年01月04日 平野貴也

FW加藤は12月上旬に左足の内側を負傷。戦列復帰は叶わなかった。

山梨学院は力及ばず敗戦。ターゲット不在が重くのしかかった。写真:石倉愛子

[選手権3回戦] 駒澤大高 4-0 山梨学院/2017年1月3日/駒沢
 
 出端を完全にくじかれてしまった。2009年以来7年ぶり2度目の優勝を狙っていた山梨学院大附(山梨)は、3日に行なわれた3回戦で駒澤大高(東京A)に0-4で敗れた。前半7分、立ち上がりにCKから失点すると、勢いよくドリブルとコンビネーションで仕掛けて来る駒澤大高に押し込まれて試合のペースを奪われた。
 
 山梨学院は、前日2回戦の尚志(福島)戦で、激しい守備を見せて勝利をもぎ取った。同じように前からプレッシャーをかけて食い止めたいところだったが、安倍一雄監督は「行こうとしても、蹴られてしまうからね」と顔をしかめた。
 
 押し下げられてしまうだけなら、耐えようもあった。しかし、ビルドアップも機能せずにプレッシャーを浴び、次々にCKを取られたことが命取りになった。4失点のうち3失点は、CKが起点となったものだった。
 
 プレッシャーに慣れるまでは前線に蹴り込むという手段もあったが、頼りがいのあるターゲットマンは、メインスタンドから試合を見守っていた。
 
 今季の山梨学院は、がっちりとした体格の2年生FW加藤拓己を前線に配し、ターゲットを作りたい時や最終ラインや中盤でのボール回しが落ち着かない時には、ロングパスを送り込んで相手を押し下げるスタイルを採っていた。
 
 しかし、加藤は12月上旬に左足の内側を負傷。戦列復帰は叶わなかった。
 
 前に逃げられず、襲い掛かって来るプレスをかいくぐれない。右MFで先発した主将の小林友也は、すぐさま本来のポジションであるボランチに入って修正に取り組んでいたが、ターゲットがいないチームは、押し返せないまま3点を失った。
 
 CKを起点に2発、ドリブルによる中央突破からのコンビネーションで1発。安倍監督は、たまらず切り札の1年生FW宮崎純真を投入し、小林も本来のポジションに戻してバランスを修正したが、シュート数3対21と一方的な展開に持ち込まれて「相手と同じことをやっても難しい。向こうが2枚くらい上だった」と0-4の敗戦に肩を落とした。

次ページ来季は加藤、宮崎の強力2トップが、大暴れするに違いない。

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