右SB強化に動くバルサ、冬にスルナで「応急措置」し、夏に「本命」のカンセロを獲得か

2017年01月01日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

予算が足りず、カンセロの獲得は夏まで見送りか。

バルセロナは冬にスルナ(右)、夏にカンセロ(左)の獲得を目論んでいる。(C)Rafa HUERTA、REUTERS/AFLO

 バルセロナにとって2017年冬の喫緊の課題が、右SBの補強である。主戦のセルジ・ロベルトを支えるべきアレイシ・ビダルがルイス・エンリケ監督の信頼を掴めず、1月の放出が囁かれているからだ。
 
 これまで後釜候補として挙がった名前は、ダリヨ・スルナ(34歳/シャフタール)やグレン・ジョンソン(32歳/ストーク)、シュテファン・リヒトシュタイナー(32歳/ユベントス)といったベテランから、セドリク・ソアレス(25歳/サウサンプトン)、エクトル・ベジェリン(21歳/アーセナル)、ジョアン・カンセロ(22歳/バレンシア)、マッティア・デ・シリオ(24歳/ミラン)といった伸び盛りの若手まで枚挙に暇がない。
 
 ただここにきて、クラブ首脳陣の狙いは、バルサらしい高い攻撃性能を備えたカンセロに絞られたようだ。
 
 事実、バルサのロベルト・フェルナンデスSDは、リーガの試合のみならず、昨年11月にはポルトガル代表の試合(ラトビア戦/ワールドカップ予選)でもこのバレンシアの右SBを視察。極秘に進められてきた交渉は、昨年末の時点ですでに合意に達したという。
 
 カンセロの代理人であるジョルジュ・メンデスの希望は、1月の移籍市場でバルサに入団させること。しかしバルサ側に今シーズン用の補強予算はもはや残されておらず、シーズン終了を待っての契約となるようだ。
 
 カンセロにはバルサだけでなく、バイエルンやチェルシーも強い関心を示していたものの、本人は「夏にバルサと契約する」という決意を固めた模様。昨夏にアンドレ・ゴメスやパコ・アルカセルを獲得しているように、バルサとバレンシア首脳陣の関係はすこぶる良好だ。移籍実現の可能性は高く、気になる移籍金は3000万ユーロ(約36億円)前後に落ち着くと言われている。
 
 夏に向けてカンセロを事実上確保した格好のバルサには、この冬に応急処置的にスルナを獲得するプランもある。シャフタールは13年間もクラブに貢献してきたレジェンドが望むならば、残り半年となっている契約の解除にも応じる構えで、ローコストで迎え入れることが可能だからだ。
 
 これまで蚊帳の外に置かれながら、年末に出番を与えられたA・ビダルが残留する可能性もゼロではない。とはいえ、この冬はスルナ獲得とA・ビダル放出で応急措置し、夏に本命のカンセロを迎え入れる――。それこそが、バルサ首脳陣が描いている右SBの「理想のシナリオ」と言っていいだろう。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
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