【日本人欧州組の前半戦通信簿|DF & GK編】価値を高めたW酒井、カップ戦で存在感発揮の吉田 etc.

2016年12月31日 松澤浩三・山口裕平・結城麻里・中田徹・サッカーダイジェストWeb編集部

試合勘を取り戻した吉田、後半戦での定位置取りを誓う長友。

ELのインテル戦では相手のエース、イカルディを封じて最も高い評価を得た吉田。確実に進化を遂げている。 (C) Getty Images

 2016年もいよいよ今日で終わり。欧州は一部の国を除いてウインターブレイクに入っているが、日本人選手たちの前半戦の出来は、いかなるものだったのかを、採点をまじえて評価していこう。
 
※成績は2016年12月31日現在。CL=チャンピオンズ・リーグ EL=ヨーロッパリーグ
 
――◆――◆――
 
◇吉田 麻也(サウサンプトン)
前半戦の採点:65点
今シーズン成績:プレミアリーグ=3試合・0得点・0アシスト/EL=3試合・0得点・0アシスト/リーグ・カップ=3試合・0得点・0アシスト
 
 前半戦は完全なカップ要員も、ELの重要な試合でも使われるなど、徐々に存在感を示した。
 
 昨シーズンは年間27試合に出場したものの、総プレータイムは1519分間。クーマン前監督からの信頼は厚かったが、先発出場する際は右SBとしての起用が多く、11月下旬のマンチェスター・C戦で失点に繋がるミスを犯して以降は、一気に出番が減った。
 
 翻って今シーズンは、プレミアリーグは3試合のみだが、ELとリーグ・カップの全12試合でフル出場しているため、プレータイムは早くも1080分間。定期的に出番を得たことで、ボールに対する一歩目の動き出しが速く、球際も強い。
 
 本人も「試合に出ていなくてたまに出るというサイクルの時は、自信と感覚、判断が悪かった。今は試合勘がすごく良いので、身体が自然と動く」と語っている。
 
 また、積極的な指示とライン統率への意識の高さは、中堅選手としての自覚が感じられる。出場する際のDFパートナーとなるファン・ダイクに感化されて、フィードのレベルも改善された。
 
 現在の立ち位置は、開幕時の3番手から2.5番手あたりまで上がっている。後半戦は集中力と判断力をさらに磨き、リーグ屈指とも謳われるレギュラーCBコンビ、フォンテとファン・ダイクを脅かしたい。(松澤浩三)
 
◇長友 佑都(インテル)
前半戦の採点:30点
今シーズン成績:セリエA=7試合・0得点・0アシスト/EL=4試合・0得点・0アシスト
 
 開幕2週間前にマンチーニ監督が更迭され、その後任となったデブールの時代はセリエA11試合で先発は3試合(途中出場1試合)。さらに13節から指揮を執るピオーリの下では、6試合で先発はわずか1試合(途中出場2試合)と、両政権下でレギュラーの座を勝ち取れずにいる。
 
 シーズン前半を総合すると、いずれも左右をこなすダンブロージオ、アンサルディ、サントンに次ぐSBの4番手という立ち位置。持ち味である粘り強い守備を見せるなど、パフォーマンスが極端に悪いわけではないものの、武器である攻撃参加は鳴りを潜めたままで、大きなインパクトに欠けているは事実だ。
 
 とはいえ、13節のミラノ・ダービー後には「いつもこうした立ち位置から這い上がってきた。今回も自信がある」と語っていたし、ライバルたちが際立っているわけでもない。後半戦の巻き返しに期待がかかる。(サッカーダイジェストWeb)

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