【皇后杯】「8日間で120分を3回やるとは…」 鮫島彩が語ったINACが接戦に勝負強い理由

2016年12月26日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

道上、京川、杉田らの活躍は目覚ましかった。

鮫島は大会を通じてフル出場。決勝では豊富な運動量で勝利に貢献した。写真:田中研治

[皇后杯決勝]新潟L 0(4PK5)0 INAC/12月25日/フクアリ

 12月25日、第38回皇后杯の決勝戦が行なわれ、INAC神戸レオネッサ(以下、INAC)がアルビレックス新潟レディース(以下、新潟L)を下し、2年連続の優勝を飾った。
 
 ただし、連覇への道は険しかった。浦和レッズレディース(以下、浦和L)との準々決勝(○1-0)とベガルタ仙台レディース(以下、仙台L)との準決勝(○3-1)はいずれも延長戦の末に勝利した。
 
 そして決勝では、延長の120分間でもスコアレスのまま決着がつかず、PK戦へと突入。それでもギリギリの戦いをこなし、ここまで勝ち上がってきたチームは、大一番で勝負強さを発揮した。
 
 サドンデスの7人目までもつれたPK戦を5-4で制し、ついに連覇を成し遂げた。
 
 初戦となった2回戦から全試合でフル出場した鮫島彩も「(決勝も)簡単に決まる試合ではないと思っていた。ただ8日間で120分を3回やるとは思ってなかったですよ」と苦笑いを浮かべたほどだ。
 
 それでも今年のチームは、長丁場の戦いでもしっかりと勝ち切る勝負強さを持っていた。
 
 鮫島は、チームの勝負強さと要因を以下のように語る。
 
「試合の途中に交代で入ってきた若いメンバーが結果を出してくれることはすごく大きいです」
 
 準々決勝の浦和L戦では、22歳の道上彩花が120分+3分に決勝点を奪い、続く準決勝の仙台L戦では、同じく22歳の京川舞が106分と108分に勝ち越しゴールを決めた。
 
 決勝では得点こそなかったものの、後半開始からピッチに立った19歳の杉田妃和が、劣勢だった流れを変える抜群のパフォーマンスを見せ、チームの勝利に貢献した。
 
 皇后杯でのINACは、特に若手の活躍が目覚ましかった。昨年限りで澤穂希が引退。大黒柱を失ったチームにとって、途中出場で勝負を決めてくれる若手は、実に頼もしい存在だった。
 
 ただし鮫島は、若手の台頭を喜ぶ一方で苦言を呈す。

次ページ若手が実力をコンスタントに発揮できれば…。厳しいコメントは希望の表れ。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事